里親制度 なり手を掘り起こそう

朝日新聞 2012年01月06日

里親制度 なり手を掘り起こそう

東日本大震災で親を失った子どもとその養育家庭を支援しようと、仙台市に「東北・SOS子どもの村情報センター」ができた。

設立したのはNPO法人「子どもの村福岡」。親と暮らせない事情がある子と里親のために一昨年春、住宅を5戸そろえた「村」を福岡市に開いた。専門家の支援を受けつつ、里親が家庭的環境で養育する全国初の取り組みだ。

仙台市のセンターも、宮城県内に同じような「子どもの村東北」(仮称)を14年6月に開く計画だ。長期的な支援の輪を広げ、子どもや養育家庭を支える仕組みにしたい。

振り返ると、第2次大戦後、戦災孤児が世界中で社会問題になった。欧米では、オーストリアで49年、国際NGO「SOS子どもの村」が設立されたのを機に、里親家庭に託される流れが広がった。

一方、日本では児童養護施設での養育が主流になった。しかも、施設は定員40人以上の大規模型が7割を占める。

子どもは家庭的な環境で育てるという国際社会の潮流から立ち遅れ、日本は国連子どもの権利委員会から3回も厳しい勧告を受けている。

養育環境が子どもの成長に及ぼす影響は大きい。厚生労働省も昨年春、養護が必要な場合は「原則、里親」とするガイドラインを作った。政府が施設中心から家庭的養護へとかじを切ったのは画期的だ。10年後の里親委託率をいまの10%から30%に増やすことをめざす。

福岡市でも、04年度の里親委託率は6.9%と低かった。だが、05年に市が「子どもNPOセンター福岡」に里親普及事業を委託したのを機に昨年3月には24.8%と飛躍的に伸びた。

市民に里親制度に関心を持ってもらおうと、「新しい絆」フォーラムが毎年2回開かれた。出前講座など多彩なメニューが生まれ、参加者が2年ほどかけて里親登録する流れができた。この歩みの中から世界133カ国目の「子どもの村福岡」も誕生した。

「行政の仕事だと思っていたことが市民の課題になった。それが最も大きかった」と子どもの村福岡の大谷順子専務理事。意識の変化が、里親のなり手を掘り起こしたといえる。

親の病気や虐待で、家庭で暮らせない子は全国に約4万7千人。登録里親は10年3月で7180人、里子は4055人だ。

市民や関係機関と上手に連携した福岡市の取り組みを全国に広げていきたい。

読売新聞 2012年01月07日

里親支援 家庭のぬくもりを遺児らにも

東日本大震災の後、各地で孤児の「里親になりたい」という希望者が増えている。

震災を通じて、絆や助け合いの大切さが改めて実感されたのだろう。これまで十分には知られていなかった里親制度を周知する機会としたい。制度を一層充実させる必要がある。

親が養育出来ない子を、自治体から委託を受けた里親が育てるのが里親制度だ。5日間ほどの研修を受けて審査に合格すると里親として認定、登録される。養育中は手当などが支給される。

両親の死亡や離婚、親による虐待など様々な理由で、親が養育出来ない子供たちの数は約4万7000人に上る。90%が児童養護施設や乳児院などに預けられ、10%が里親に委託されている。

こうした子供たちを可能な限り温かい家庭的環境の下で育てていくことは、心の成長の上でも重要なことだ。

しかし、日本では長年にわたり施設委託に重点が置かれてきた。欧米諸国の里親委託率は、米国76%、フランス53%などで、日本の比率の低さが際立っている。

厚生労働省が昨年、今後は里親委託を優先して検討する方針を示したのは妥当である。児童虐待が急増し、児童養護施設が満杯状態であることも背景の一つとなっており、厚労省が里親委託率30%を目標に掲げたのも理解できる。

制度拡充のためには、里親の確保に加え、委託後の支援体制を強化していくことが必要だ。

東京都杉並区では、里親の女性が、里子として養育中の3歳の女児に暴行を加え死亡させたとして、昨年9月に傷害致死罪で起訴された。女性は自身のブログに養育の悩みを書き込んでいたが、事件を未然に防げなかった。

子供たちが心に傷を負っているため、養育にきめ細かな配慮が求められるケースも少なくない。

厚労省は今後、全国で700人の里親支援の専門職員を児童養護施設などに配置する。

里親が悩みを抱え込まないよう定期的な家庭訪問を行ったり、里親同士の交流の場を広げたりすることも欠かせない。里親研修の充実も必要だ。

里親を経て養子縁組するケースもある。愛知県では、望まない妊娠で悩む女性のため特別養子縁組などを前提とした新生児の里親委託に30年前から取り組んできた。出会いが早いほど、自然な形で親子関係を作ることが出来る。

こうした取り組みも積極的に進めていくべきだろう。

里親さんへ - 2013/03/29 19:42
児相としては里親一軒一軒対応するより施設に子供を丸投げした方が楽です。
施設が定員超える頃施設と児相が話し合ってどの子を里親に出すか決めます。
施設にとって委託可能かつかわいくない子(容姿ではなく懐かないとか問題を起こすとか様々な理由で)
を推薦して、ここで初めて実親に承諾するかどうか聞きに行きます。
統計の数字は細工されています。例えば委託率は毎年年度末のデータを取るのですが、その時期に一斉に長期、短期、交流に出して、数字だけは上げて成績を残すそうです(なんと児相の部長が里親会で言いました)。
不調で返された子の割合もいろいろな人の思惑が絡んで変化していると思います。
里親には子供が懐くまで何年でも交流を続けろ、出来ないのなら里親辞めろと脅しをかけます。
施設にとって戻って来て欲しくない子だから。
乳児院は乳児が最長3年で入れ替わるので定員の確保に安定的要素が無いのでより里子に出すのに消極的です。
児相でも分かってて乳児は色々理由をつけて基本里子に出しません、但し卒院する頃に機会はあるかも。
児相自体が施設の子を見下し、野放しにしている。子供たちの将来の為に、、なんて考えてない。
子供の事は児相が決める里親はいちいち意見するな、だって。
管内の子供が事件で亡くなってもへらへらしているのを見たよ。あくまで埼玉の児相の一部、でも本当の事です。
里親さんは純粋な気持ちで子供の事を真剣に考えているのでしょうけど、だからこそ児相に巣食う一部ごろつきに足元見られないように気を付けてください。
この社説へのコメントをどうぞ。
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