小沢氏と国会 疑惑解明には証人喚問だ

毎日新聞 2010年10月13日

小沢氏招致問題 民主党の感覚を疑う

これでは感覚が疑われる。政治資金規正法違反の罪で強制起訴される民主党の小沢一郎元代表の「政治とカネ」の問題をめぐる菅直人首相ら党側の対応が鈍い。12日の党役員会でも小沢氏の国会での説明をめぐり明確な結論は出ず、党幹部からは証人喚問は不要との意見が公然と出ている。

「政治とカネ」問題の渦中に身を置く小沢氏は自ら出処進退を明らかにすべきであり、同時に党の自浄能力が厳しく問われている。にもかかわらず、本人のけじめはおろか、仮に国会での説明責任にも背を向けようとするのであれば、党の体質にも疑念を抱かざるを得ない。

煮えきらぬ答弁だった。衆院予算委員会で自民党の石原伸晃幹事長は小沢氏の国会招致に首相が指導力を発揮するよう求めた。だが、首相は小沢氏の意向も踏まえ、党が対応するとの基本線を崩さなかった。

東京第5検察審査会が起訴を議決して以来、小沢氏と党側から起きる動きは議決の重みを感じさせないものばかりだ。議決を受け小沢氏は離党や議員辞職を否定した。国会での説明について「決定に従う」と述べるにとどめた。そればかりか、検察審に「全く秘密のベールに閉ざされている」と不快感すら示した。

小沢氏の刑事責任の有無は今後、裁判で決せられるべきだ。検察審査会もできるだけの情報を開示するよう、私たちも求めている。だからといって、国会で自ら説明する意向を表明しないのでは、それこそ秘密主義ではないか。小沢氏の資金管理団体の土地取得の原資に関する説明が変化した経緯や理由など、国会で自らがきちんと語るべきだ。

それ以上に腑(ふ)に落ちないのが、党の対応である。小沢氏にけじめを促すどころか、国会での説明を求めることすらためらい、やっと衆院政治倫理審査会への出席を促す声が出る程度である。

小沢氏を追い込めば党内の「親小沢」勢力を刺激し、ねじれ国会の中で党が分裂状態を来す内憂外患になりかねない、との懸念が岡田克也幹事長ら執行部にはあるのだろう。だが、小沢氏が国会で説明を行うことは「けじめ」以前の責任だ。本当に菅内閣が「脱小沢」で政権を運営できる体制かが試されていることを忘れてはならない。

日中関係、補正予算案のあり方など、与野党が議論すべき課題は多い。首相は補正予算成立へ野党に協力を要請している。だが、現実には小沢氏の出席問題こそが審議日程の最大の波乱要因である。

首相自らが、小沢氏が国会に出て説明する道筋をつけるしかない。火中の栗(くり)を拾うべきである。

産経新聞 2010年10月14日

小沢氏と国会 疑惑解明には証人喚問だ

菅直人首相や民主党執行部は小沢一郎元代表の証人喚問問題から逃げ回っていないか。

民主党は12日の役員会でこの問題を協議したが、方向性を出さずに結論を先送りした。小沢氏に近い輿石東参院議員会長ら参院執行部からは、喚問も政倫審も必要ないとの意見さえ出ている。民主党が主張する「クリーンな政治」の実現という意欲もうかがえない。きわめて残念である。

自民党など野党6党は、検察審査会の起訴議決で強制起訴されることが決まった小沢氏の証人喚問を要求している。

首相は13日の衆院予算委員会で「小沢氏の意向に沿わなくても、やらざるを得ないときは党として判断する」と述べたが、喚問に応じるよう小沢氏を説得する様子はみられない。

小沢氏の同意を得て政治倫理審査会での弁明で済ませられないかと、時間をかけている印象を与えている。原則非公開で本人の弁明に主眼が置かれる政倫審では十分な疑惑解明には程遠い。

国政調査権を発動して偽証罪を伴う証人喚問を実現することが最重要課題だ。立法府として「自浄能力ゼロ」の状態から脱却しなければならない。

資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる政治資金規正法違反事件では、虚偽記載が20億円を超えた。「元秘書らの判断で自分は関知していない」という小沢氏の主張や土地購入資金の原資の説明には多くの疑問が残っている。

偽証罪に問われない政倫審での弁明ではこうした疑問点は解明されず、小沢氏が潔白を主張するだけで終わってしまいかねない。確実に説明責任が果たされる場を作らねばならない。

耳を疑うのは首相や岡田克也幹事長が「小沢氏は党に大きな功績がある」と、小沢氏の意向を尊重する姿勢を示していることだ。小沢氏が「国会の決定に従う」というのも証人喚問には至らないと判断しているからではないのか。

小沢氏の政治的・道義的責任は元秘書ら3人が逮捕・起訴されるなどして明白だ。起訴議決を受けて、今度は刑事責任が問われる。潔白を主張しているが、証人喚問で疑惑を晴らすのが筋だろう。

首相が喚問実現を決断し、小沢氏に受け入れさせなければ、民主党は自浄努力を放棄した政党としか国民には映らない。

田中 由子 - 2010/10/18 16:15
新聞社の記者は記者自身が調査、検証しているのか疑問。お題目のごとく説明責任と言われるが、何を説明
して欲しいのか?記者自身が何も調査等するのがメンドクサイ為に説明しろと言っている様に聞こえる。
検察のリークの守護神ではなく、きちんと検察に説明責任を果たさせる役目を担ったらどうかしら?
政治家ばかりを追求するが、検察をもっと追求すべきではないか?怖くてとてもできないんですよね。
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