代表選の投票権 外国人にも認めるのは問題だ

読売新聞 2010年09月05日

代表選の投票権 外国人にも認めるのは問題だ

民主党代表選は日本の政党の党首選びである。在日外国人にまで投票権を認めるのは、明らかに行き過ぎだ。

民主党は、国会議員、地方議員、党員・サポーターに代表選の投票資格を与えている。その合計の1224ポイントのうち、党員・サポーター票は300ポイントと約4分の1の重みを持つ。

選挙戦が激しくなれば、約5万人の党員、約29万人のサポーターの1票が、勝敗を決する可能性もあると指摘されている。

問題は、民主党の規約が党員とサポーターの資格を「在日外国人を含む」と定めている点だ。

憲法は公務員選定・罷免の権利を、公職選挙法は選挙権を「日本国民」にのみ認めている。政治資金規正法は、政党や政治団体が外国人や外国法人から寄付を受けることを禁じている。

いずれも、日本の政治や選挙が外国からの干渉を受けるのを防ぐための規定だ。この趣旨に照らせば、政権党であれ、野党であれ、党首選の投票権を外国人に認めることは、きわめて疑問である。

党員などの要件や代表選の仕組みは、政党自身が決めることではある。民主党は「開かれた政党」という考えの下、在日外国人にも門戸を開いていると説明する。

しかし、政党は、国民の税金である政党交付金を受ける公的な存在だ。憲法や法律から逸脱することは無論、その趣旨を(ゆが)めるようなことがあってはならない。

民主党は、党員・サポーターの中にどのぐらい在日外国人が含まれているかも把握していない。選挙管理があまりに杜撰(ずさん)過ぎる。

枝野幹事長は先月、記者会見で「将来的にいろいろ検討しないといけない。国政に参加する要件は国籍で判断するべきだ」と述べている。代表選が首相選びに直結してようやく、この問題の重大性に気づいたのだろう。

自民党や共産党などは、日本国籍を党員の要件としている。民主党も、党員・サポーターの資格を日本国籍の者に限るべきだ。

党員・サポーターには、永住外国人への地方選挙権付与を期待する在日韓国人が少なからずいるとみられている。

菅首相と小沢一郎・前幹事長が党を二分する選挙戦を演じる中、党員・サポーター票の獲得を目当てに、両氏やその支持議員が、この法案の成立を競って約束するといった展開になれば、国の基本を損ねることにもなる。

民主党は、早期に是正措置を講じるべきだろう。

産経新聞 2010年09月07日

代表選の欠陥 外国人関与なぜ放置する

事実上、日本の首相を選ぶ民主党代表選の仕組みはあまりにも杜撰(ずさん)である。問題なのは、投票システムのほか、投票資格を持つ党員・サポーターに在日外国人が含まれている点だ。

永住外国人に地方参政権を付与する法案の是非が議論となっているが、民主党代表選は国政そのものに外国人がかかわる点で、さらに深刻な問題をはらんでいる。特定の外国人勢力の意思が首相選出に影響を及ぼす恐れがあるためだ。長尾一紘中央大教授は、「憲法違反」だと断言している。

そもそも制度設計がおかしい。党員は年間6千円、サポーターは2千円を支払って投票に参加する。外国人の党費支払いに法的規制はないが、外国人による政党への寄付を禁じる政治資金規正法の趣旨に反しているといえる。

民主党の枝野幸男幹事長は8月9日の記者会見で、外国人の投票について、「将来に向かっては、議論が必要なことではないか」と述べている。党幹部もこの問題点に気づいているわけだ。

それにもかかわらず、なんの制度改正も図られないままに今回の代表選を迎えたことは、まったく理解に苦しむ。

また、小沢一郎前幹事長は5日、「党の問題でしょう。僕が決める話じゃない」と述べた。民主党代表に就任する可能性がある人物として、無責任としか言いようがない。

一方、党員・サポーターによる投票は、投票用紙が自宅に郵送され、これに候補者名を書き込んで返送する仕組みだ。これでは、本当に党員・サポーター本人が投票したものかは確認できない。代理投票や特定候補への投票の強要など、さまざまな不正行為も可能ではないか。

民主党秋田県連では、小沢氏を支持する衆院議員の事務所が、一部のサポーターに対して、白紙の投票用紙の提出を求めたという疑惑が浮上している。

当該衆院議員は「事実無根だ」と否定しており、そうした行為が実際にあったのかは不明だが、そもそもこういう不正が実行可能であるという点に、制度としての脆弱(ぜいじゃく)性がある。

投開票日は14日に迫っている。今からでは制度の改善は間に合わない。制度の欠陥を悪用しないことを民主党議員、党員、サポーターに求めたい。

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