民主党敗北 国益第一へ軌道修正急げ 「ねじれ」選んだ民意は重い

毎日新聞 2010年07月13日

敗北・民主党 政策の再構築が先決だ

参院選の民主党大敗に伴う余震が続いている。菅直人首相は自らの続投だけでなく現執行部や閣僚の布陣を当面維持する方針だ。党内には枝野幸男幹事長の交代を求める動きもあり、不満がくすぶっている。

参院で与野党勢力が逆転した「ねじれ」国会の乗り切りに向けて首相が野党と政策テーマごとの連携を模索する姿勢を示したのは、現実的な判断だ。だが、離反した民意をもう一度引き寄せられないと、野党からは足元をみられるだけだ。党内抗争で消耗する場合ではない。政策の再点検こそ、必要な総括である。

参院選の結果、与党は110議席、野党は132議席と22議席の野党優位となった。これは、少数政党との連携や野党の部分的な切り崩し程度では国会を乗りきれないほどのダメージを与党が被ったことを意味する。自民、公明両党や躍進したみんなの党など参院で10議席超の政党の協力が得られないと、法案処理は立ち行かぬ公算が大きい。しかも3党はいずれも民主党との連立を否定、対決姿勢を強調している。

結局、首相が言うとおり「(政策で)共通する部分は(野党と)合意し実現する」以外に道はあるまい。とはいえ、いたずらに野党に擦り寄っても侮られるだけだ。民主党の掲げる政策に国民の理解が得られ、状況によっては首相が衆院を解散し信を問うような迫力なくしては政策連携も絵に描いたモチに終わろう。

民主党政権への期待がなぜ色あせてきたか、冷静な分析が必要だ。消費税を含めた税制抜本改革の論議は必要だが、選挙戦で首相は財政破綻(はたん)したギリシャを引き合いに出すばかりで「強い社会保障」をどう実現するか、有権者の納得を得られなかった。問題の本質は首相の言う「説明不足」ではなく、そもそも党の政策の生煮えさにある。野党に税制協議を呼びかけるにあたり、まず民主党が基本的見解を示すべきだ。

政策の点検にあたり特に留意すべきは公務員制度、地域主権の2改革だろう。「脱官僚」を掲げた民主党政権だが、天下り禁止の姿勢は大きく後退し、各省幹部人事の一元化を図る法案も不徹底と批判を浴びた。こんな姿への失望がみんなの党への追い風を加速したのではないか。

鳩山前内閣で「1丁目1番地」と称したはずの地域主権改革にも首相は冷淡だった。政策面での後退を率直に反省すべきである。

「政治とカネ」をめぐる問題にしても小沢一郎前幹事長の国会での説明などの対処を今度こそ迫られよう。9月代表選に向け、党内で抗争を繰り広げる余裕はない。党の政策を再構築する場と位置づけねばならない。

産経新聞 2010年07月12日

民主党敗北 国益第一へ軌道修正急げ 「ねじれ」選んだ民意は重い

参院選は与党が過半数割れとなり、自民党が大きく復調したことで、これまでの民主党が主導する政治構造を一変させた。

民主党は従来のばらまき政策を基調とする国益を無視した一連の政策が国民の信を失ったことを深刻に受け止め、全面的な見直しを急ぐことが最大の責務である。

鳩山由紀夫、菅直人両首相による民主党主導政権の迷走と失政をこれ以上継続させまいと、有権者がブレーキをかけたのである。

日本が「まともな国」として21世紀を生き抜いていくことに、国民の多くが危機感を持ったことも指摘したい。

結果として参院で、野党が主導権を握る「ねじれ」が生じる。これにより、民主党が考えていた外国人参政権付与法案など「国家解体」といわれる問題法案の成立のハードルは高くなる。

国益や国民の利益を実現するために与野党が歩み寄り、政策調整することを強く求めたい。

民主党は目標の54議席を大きく割り込んだ。50議席にも届かない敗北の大きな要因は、菅首相の発言のぶれにある。首相が参院選直前に持ち出した「消費税10%」は、政権公約になかったものである。10%の根拠や消費税の使途について十分な説明を行わず、唐突感は最後まで消えなかった。

◆口先の公約見抜かれた

結局、消費税の全体像と万難を排して増税を貫く覚悟のいずれも持ち合わせていないことが明らかになった。これは首相の失態といえる。

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