3党連立合意 民意に沿う政権運営を

朝日新聞 2009年09月15日

郵政見直し 拙速を避け、代案をまず

郵政民営化の前途が見通しにくくなった。民主、社民、国民新の3党が連立合意に「郵政事業の抜本見直し」を盛り込み、鳩山新政権の具体策が問われようとしている。

連立合意は、日本郵政グループのうち、持ち株会社「日本郵政」と子会社「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」の株式売却を凍結▼サービスと経営実態を精査して4分社化を見直す▼郵便局サービスを全国あまねく公平に、利用者本位の簡便な方法で利用できる仕組みに再構築する▼郵便、貯金、保険の一体的なサービスを可能にする、としている。

今回の総選挙は、郵政民営化に象徴された小泉改革への審判という側面もあった。いまの民営化の枠組みが4年前の「郵政選挙」の産物である以上、新政権が必要な見直しを進めることは民意に応える意味でも重要だ。

民営化開始からまもなく2年たつ日本郵政グループも課題山積だ。自民党内も二分された「かんぽの宿」をめぐる経営問題や、福祉団体の郵便料金優遇詐欺事件などの不祥事が噴き出す一方、宅配便事業の統合は難航し、住宅ローンも伸び悩む。

20万人以上が働く日本郵政グループが十分な収益力をつけるまでは、株式上場を急ぐべきではない。その意味で、3党が掲げる株式売却の凍結案には一定の合理性がある。

しかし、単純に4分社化の見直しや、郵便、銀行、保険の一体的サービスをめざすとしている点には、さまざまな疑問がある。3党合意の内容はあまりにも漠然としている。新政権は、めざす郵政民営化の見直しの具体像を、早く示すことが必要だ。

その際の基本は、経営の効率化を図り、他の民間企業との適正な競争を確保するためにも、国営時代のような4業種の「どんぶり勘定」に戻してはならない、ということだ。

4社制を続けるか、別のかたちを考えるのか。形式についてはいろんなアイデアがあっていい。だが、分けるべきは分けて透明性を確保し、収益性をチェックしやすい経営にするという原則をゆるがせにはできない。

そのうえで、利用者が不便になったと感じているところには必要な改善の手を打っていけばいいのではないか。

あす首相になる鳩山民主党代表は、日本郵政の西川善文社長を更迭する意向を示している。だが、問題はそう簡単ではない。連立政権はまず日本郵政見直しの具体像を示した上で、それに照らして西川氏ではなぜだめなのか、多くの国民が納得できる根拠を示さなくてはなるまい。

経営も人事も、郵便事業や貯金、簡保などの利用者の利益を最優先すべきで、拙速な見直しが将来に禍根を残すようなことは避けるべきである。

毎日新聞 2009年09月13日

郵政見直し 早急に新ビジョンを

連立政権の合意で、民主、社民、国民新の3党は、郵政民営化の見直しを盛り込んだ。日本郵政グループ3社の株式売却凍結法案と、郵政改革基本法案の成立をめざす。小泉政権が「改革の本丸」とした民営化の実現から2年足らずで、抜本的な見直しが始まる。

郵政民営化により郵政事業は、持ち株会社の日本郵政の下に、郵便局会社、郵便事業会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命がぶら下がる形で再編された。国の保有株は、日本郵政については3分の1以上を残し、ゆうちょ銀行とかんぽ生命は全株式を17年9月末までに売却する予定だ。

新規事業に積極的に取り組み、業容を拡大して収益力を強化する。そして、株式売却益を用い、郵便局の営業力を強化し、過疎地の郵便局も維持できるようにするというのがこれまでのシナリオだった。

確かに日本郵政はかなりの利益をあげている。それだけをみると民営化は成功しているようにみえる。しかし、簡易郵便局の閉鎖が相次ぎ、別会社化に伴うサービスの低下といった現象も起き、収益重視の弊害が指摘されている。

投信や変額年金保険を郵便局で扱えば、手数料収入は上がる。しかし、リスクの高い商品の取り扱いが、地域のニーズをくんだ事業といえるかは疑問だ。さらに「かんぽの宿」売却や、障害者団体向け郵便料金割引制度の悪用などの問題で、経営のあり方も問われた。

株式売却凍結法案が成立すれば、郵政民営化の計画は根底から覆る。郵便、ゆうちょ、かんぽの3事業は一体運営する方向へ改められることになりそうだ。

しかし、単純な後戻りは許されない。民間の金融機関にとって、株式売却の凍結は政府保証の復活と映るだろうし、民業圧迫という、かつての郵政事業をめぐる問題が再燃するのは避けられないからだ。

そうした点を踏まえ、衰退期にある郵便で全国一律のサービスを持続し、貯蓄や決済、送金など基礎的な金融サービスを提供し続けるのは、そう簡単なことではない。

現場の混乱を回避するためにも新政権は、郵政改革について新たなビジョンを早急に示す必要がある。

経営陣の刷新も課題だ。日本郵政の西川善文社長は、かんぽの宿の売却問題で責任を問われたものの、郵政民営化の象徴的存在として麻生太郎首相は続投とした。

しかし、西川氏が政治任用であることは明らかだ。政権が代わり、郵政民営化が抜本的に見直されようとしているわけで、その責務を終えたことは、西川氏自身がよく理解しているはずだ。

読売新聞 2009年09月11日

郵政民営化 利用者本位で問題点を改めよ

民営化の利点を生かしながら、郵便局がもっと便利で頼れる地域の拠点になるよう、知恵を絞ってほしい。

民主、社民、国民新の3党が、連立政権合意に郵政民営化の抜本見直しを盛り込んだ。

政府が保有する日本郵政の株式と、日本郵政が持つゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の株式の売却を凍結する。さらに、持ち株会社の下に4事業会社を置く体制も含めて見直すという。

確かに、郵政民営化で「かえって不便になった」との声は多い。以前は配達に来た局員に、貯金を依頼できたが、郵便と貯金が別会社になってできなくなった。郵便局会社と郵便事業会社の窓口が併設され、戸惑うこともある。

「不在のため配達員が持ち帰った書留を近所の郵便局で受け取れない」「窓口の待ち時間が長くなった」などの苦情も絶えない。

民営化と分社化で生じた不便は解消しなければならない。事業の4分社が利用者にとって最善の形なのかも含め、民営化から2年で起きた問題点を洗い出し、利用者の目線で見直してもらいたい。

とはいえ、資金の流れを「官から民へ」と変え、経済の活性化を図るという、民営化の「本丸」は守らねばならない。

国の信用で集めた巨額の資金が役人の天下り先に流れる構造は、民営化によって改まってきた。

しかし、郵政グループに政府が100%出資する現状では、「暗黙の政府保証」を背景とした強い集金力が残っている。

官製メガ銀行とメガ生保が温存され、民業圧迫が続く事態を避けるには、ゆうちょ、かんぽの金融2社の全株式を売却し、完全民営化することが肝要だ。

ただし、完全民営化後は、2社の経営判断で過疎地の金融業務が切り捨てられる恐れもある。

経営の自由を縛る全国一律サービスの義務付けは避けたいが、「金融空白地」を生じさせないよう工夫する必要があろう。

郵便網のほころびも修復しなければならない。民営化後、簡易郵便局の一時閉鎖が相次いだ。

農協などに業務を委託する際に払う手数料の値上げで、閉鎖の増加に歯止めはかかったが、まだ約300局が閉鎖中だ。さらに改善の余地はないだろうか。

民主党の鳩山代表は、かんぽの宿の売却で経営責任を問われた西川善文・日本郵政社長に辞任を求める考えを表明している。

経営体制も含めて、民営化のゆがみは正さねばならない。

産経新聞 2009年09月12日

「郵政」見直し 公社に逆戻りさせるのか

民主、社民、国民新3党の郵政民営化見直し合意が波紋を広げている。持ち株会社の日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式売却を凍結し、日本郵政の下に4事業会社を置く分社化も見直す内容だ。

民主党の政権公約には「国営や公社には戻さない」とあるが、3党の説明からは公社化への逆戻りをめざすようにしか見えない。株式売却をやめるなら、「官から民へ」の郵政改革の原点をどう考えるか整理し説明してほしい。

3党はまず、「なぜ民営化構想が出てきたのか」を思いだすべきだ。問題視されたのは、国民からかき集め肥大した官業金融の資金が、不透明な財政投融資に流れていたことだ。その資金の入り口の改革が始まりだった。

小泉政権下での改革議論の中で、民営化は官業のどんぶり勘定を改めるため必要で、4分社化が各事業のリスクを分離して効率を上げるのに最善の策とされた。その後、2年前に民営化され、日本郵政は株式売却による完全民営化をめざしてきた。ただ、その民営化路線にはボタンの掛け違いがあった。本来は民業圧迫の批判を受けていた金融事業を縮小すべきだったが拡大路線を志向した。

民営化を見直すというなら、そうした経緯と現状を踏まえ、国民経済全体にとって望ましい経営形態でなければならない。高齢化が進む地方でも金融サービスを確保するため、郵便事業だけでなく、銀行と保険にも全国一律のサービスを義務づけるとしている点は、いかにも聞こえがいい。

しかし、全国津々浦々、公平にサービスを提供するコストを誰が負担するのかという議論が欠けている。株式売却を凍結したまま、新規事業を拡大していけば、民業圧迫との批判が強まる。最終的に郵政事業が赤字となり、公的資金で穴埋めするようなことになったら、元も子もない。

「かんぽの宿」のオリックスへの一括売却をめぐる騒動では、西川善文社長の続投に反対した鳩山邦夫前総務相が更迭された。民主党や国民新党はそれを批判し、西川氏の辞任を求めている。こんな状態で民営会社としての経営判断など、できるわけがない。

3党は今後、郵政改革基本法案を国会に提出するという。民営化を後戻りさせ、官業体質の無駄と非効率が復活するようなことを許してはならない。

朝日新聞 2009年09月10日

連立合意 政権に加わることの責任

民主、社民、国民新の3党が連立内閣を組むことで合意した。

特別国会初日の16日、3党は足並みをそろえて民主党の鳩山代表を新首相に選出する。「鳩山連立内閣」には社民党・福島、国民新党・亀井の両党首が入閣する。

衆院では圧倒的多数を手にした民主党だが、参院では過半数に少し足りない。予算や法律をスムーズに成立させるために社民、国民新両党の協力を取りつけ、安定した政権基盤を築こうということである。

社民、国民新の両党にとっては、そんな民主党の事情を利用して、自らの主張を新政権で少しでも実現させようということだろう。総選挙前から連立を前提に共通政策を掲げてきた以上、連立合意は自然な流れではある。

ただ、両党と民主党との議席数の差はあまりにも大きい。連立内閣が総選挙で圧倒的な支持を得た民主党の主導で動いていくのもまた当然である。

総選挙で示されたのは、政権交代を望む民意の熱いうねりだ。社民、国民新の両党もそう主張して現在の議席を得た。つまり、政権交代で誕生する新政権を維持し、国民の期待に応えられるように運営していく責任も両党は担うということだ。

むろん、党が違うのだから、すべての意見が一致するわけはない。原則を主張するのはいいが、反対するならその後をどうするのか、現実的な対応策を示さねばならない。それが野党時代とは違う「政権党」としての義務である。その自覚を社民、国民新の両党には持ってもらいたい。

その意味で、入閣する両党首が加わる「基本政策閣僚委員会」を内閣に設け、3党協議の場とすることにしたのはよかった。意思決定は内閣に一元化するという民主党の原則が貫かれた。

期待したいのは、民主党の議員たちとは違う「目」を政権のなかで利かせることだ。巨大政党になった民主党が暴走したり、独善に陥ったりしないかをチェックする役割である。

民意は必ずしも民主党の政策を全面支持しているわけではない。朝日新聞の世論調査では、民主党の政策に対する有権者の支持が総選挙大勝の大きな理由とは「思わない」という人が52%に達した。両党が政権に入ることで政策がより複眼的になれば、有権者の期待に応えることにもなろう。

民主党も巨大議席に慢心せず、聞く耳を持つ態度を求めたい。

政策協議では、外交・安全保障を中心に3党の主張がぶつかったが、最後は抽象的な表現で折り合った。まずは連立政権発足を優先した結果である。

今後、具体的な政策課題で結論を迫られる時に、対立が再燃する可能性もある。それをどう克服していくか。この連立の意味はそこで試される。

毎日新聞 2009年09月10日

3党連立合意 民意に沿う政権運営を

民主、社民、国民新3党の連立政権協議が9日まとまった。社民党の福島瑞穂党首、国民新党の亀井静香代表は入閣する見通しで、これで16日の首相指名選挙を経て鳩山由紀夫民主党代表を首相とする3党連立政権が誕生する運びとなった。

協議は沖縄の在日米軍基地問題などをめぐって民主党と社民党との調整が続いたが、内閣に一元化する政策決定の仕組みも含め、ほぼ民主党のマニフェストに沿った内容となった。おおむね妥当な合意だろう。

ただし、課題も残った。やはり民主、社民両党間のネックは安全保障問題だということだ。結局、「沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」との文章で折り合ったが、当初から目指す方向性は大きくは違っていないにもかかわらず合意には手間取った。

社民党内には連立政権の中で埋没しかねないとの懸念がある。だが、協議に際し、仮に存在感をアピールすることだけを目的にするのであれば国民の理解は得られない。先の衆院選は民主党が圧勝したというのが民意であり、議席数には大きな差がある。無論、民主党は連立政権を組む以上、連立相手の声に十分耳を傾けなければならないが、社民党も今後、抑制的な対応が必要となる。

一方、国民新党が最優先する郵政事業の見直しでは、郵政改革基本法案を速やかに作成して成立をはかることで合意した。今の4分社化を見直すとはいうものの、これも具体的には今後の作業だ。

93年の細川政権以降、今の自・公政権まで、日本の政治は一時期を除いて連立時代が続いてきた。しかし、与党内調整に時間がかかり過ぎる一方、各党の主張を「足して2で割る」手法で決着して政策が中途半端になったり、まとまらない難問は先送りする例も多かった。

政策の実行にスピードも要求される時代だ。民主党は首相直属の機関として新設する国家戦略局を政策決定の中心とし、今回の合意では3党の意見調整も内閣の中に置かれる「基本政策閣僚委員会」が担当することになった。政府と与党の二元的行政を排し、内閣主導を進める仕組みは一応整ったことになる。これがうまく機能するかどうかが政権運営のカギを握るだろう。

3党合意文書の冒頭には「政権交代という民意に従い、国民の負託に応える」とある。今後もことあるたびにそれを確認し、政権運営を進めてもらいたい。期待されているのは何を具体的に変えてくれるかだ。それができなければ待っているのは「しょせん数合わせ」の批判である。

読売新聞 2009年09月10日

3党連立合意 日米同盟の火種とならないか

鳩山連立内閣の発足に向けて、大きなハードルをようやく乗り越えた。民主、社民、国民新の3党が連立政権を樹立することで合意した。

政策合意の文書は、消費税率据え置き、郵政事業の抜本的見直しなど10項目で構成されている。

焦点の外交・安全保障政策では、社民党の求める「米軍再編や在日米軍基地のあり方の見直し」や「日米地位協定の改定の提起」が盛り込まれた。民主党は難色を示していたが、国民新党も社民党に同調し、押し切られた。

鳩山内閣は対米外交で、この連立合意に一定の縛りを受ける。将来の火種となりかねない。

米政府は、日米が合意した海兵隊普天間飛行場の沖縄県内移設計画の再交渉に応じない立場だ。沖縄県も、計画の微修正を求めつつ、飛行場の早期返還を優先して県内移設自体は容認している。

現実的な代案もないまま、米側も地元自治体も納得している計画の見直しを提起することが、政府として責任ある態度だろうか。日米同盟の信頼関係も傷つく。

民主党は今後、連立政権の維持を優先するあまり、国家の基本にかかわる外交・安保政策などで、社民党に安易に妥協することを繰り返してはなるまい。

インド洋での海上自衛隊の給油活動については、社民党が「即時撤退」との主張を取り下げたが、来年1月の活動期限を延長しない方向は変わっていない。

民主党は、給油活動の代案としてアフガニスタンへの人道復興支援の増額などを検討している。

だが、海自の人的支援とアフガンへの資金支援は本来、「車の両輪」だ。人的支援がなくなることは、日本の国際協調行動の大きな後退を意味する。民主党は、海自の撤退を再考すべきだ。

連立協議では、社民党が求めていた与党の政策協議機関の代わりに、政府内に3党の党首級協議機関を設けることでも一致した。

政権内での発言権を確保したい社民党と、政策決定に与党が関与せず、内閣に一元化する体制を目指す民主党の折衷案である。

今後、懸念されるのは、社民、国民新両党が存在感を示そうとして、独自の主張に固執し、政権を混乱させる事態だ。過去の連立政権でも、少数党が多数党を振り回した例が少なくない。

社民党は「3党の対等な立場」を強調する。だが、民主党308、社民党7、国民新党3という衆院選の獲得議席数を踏まえれば、その主張には無理があろう。

産経新聞 2009年09月10日

連立合意 日米同盟維持に疑問残す

民主、社民、国民新3党の連立政権合意がようやく成立した。

合意には消費税率5%の据え置きなど衆院選の3党共通公約の内容に加え、国の基本政策となる外交・安全保障に関して「緊密で対等な日米同盟関係」をうたい、在日米軍基地のあり方を見直す考えが盛り込まれた。

連立政権は日本の平和と安全、さらには繁栄を守り抜く責任がある。それには基軸である日米同盟関係を揺るがすことがあってはなるまい。

今回の合意は連立政権樹立を優先させることで、結果的に反米色が抑えられたものの、同盟関係が円滑に維持できるかに関しては疑問を提起せざるを得ない。

一方で、インド洋の海上自衛隊による補給支援活動を終了させる方針には直接言及せず、「テロの温床を除去」し、「アフガニスタンの実態を踏まえた支援策を検討する」とした。具体的な代替案は示されていないが、日本がテロとの戦いから直ちに離脱しないとの意思を示唆したものとも受け止められる。

民主党の鳩山由紀夫代表は、オバマ米大統領との会談で、これまでの政策を点検する意向を示しているが、信頼関係を構築できる具体案を示すべきだ。

政権協議の過程で、社民党は米軍普天間飛行場の移設計画見直しを具体的に盛り込むよう求め、民主党は抽象的な表現にとどめたいとして対立した。最終的には米軍再編や米軍基地のあり方について「見直しの方向で臨む」との表現で落ち着いたとはいえ、長年の日米交渉の成果を覆すことは現実的ではない。

合意では、在日米軍の軍人・兵士の裁判権など、身分にかかわる日米地位協定の改定を提起することも盛り込まれたが、日米同盟の維持・強化が必要な国際情勢を認識してほしかった。

郵政民営化問題では、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式売却を凍結する法案や、郵政事業の抜本見直しを含む「郵政改革基本法案」の早期成立が確認された。「官から民へ」の流れを止めてしまう見直しは許されない。連立政権の改革姿勢が問われる課題である。

新たな政策調整が必要な場合は3党党首クラスの「基本政策閣僚委員会」で協議することにしたが、迅速な政策決定を妨げる存在となってはならないだろう。

この記事へのコメントはありません。

この社説へのコメントをどうぞ。
お名前
URL
コメント

この記事へのトラックバックはありません。

トラックバックはこちら
http://shasetsu.ps.land.to/trackback.cgi/event/33/