プロ野球のパ・リーグが20日、開幕する。セ・リーグも26日に熱戦の火ぶたを切る。いよいよ球春到来である。
「ここに、世界一がある。」――。これが今季のプロ野球のスローガンだ。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)連覇を成し遂げた国の野球にふさわしい、レベルの高いプレーでファンを楽しませてほしい。
パ・リーグでは、日本ハムが連覇を目指す。巨人の4連覇がなるかどうかが、セ・リーグの焦点だ。西武の雄星投手、巨人の長野久義選手ら期待のルーキーの活躍が今から楽しみだ。
日本球界に復帰した阪神の城島健司捕手やオリックスの田口壮選手らには、米大リーグで磨いた技を存分に発揮してもらいたい。
5球団の新監督たちの采配も注目点の一つだろう。
両リーグで新たに導入されるのが、本塁打のビデオ判定だ。打球がポール際などに飛んだ際、審判が必要と認めれば映像で確認し、最終判断するようになる。
この導入で、より正確なジャッジが可能になるだろう。抗議による長い中断も避けられそうだ。ぜひとも有効に活用してほしい。
ボールカウントについて、審判のコールが「ボール」「ストライク」の順になるのも、今季からの変更点だ。フルカウントの場合は、大リーグと同様に「3ボール、2ストライク」となる。
高校野球では既に実施しており、大学、社会人野球も今季から変更する。国際基準に準じた変更は、国際大会が増えている現状を考えれば自然な流れといえる。
これに伴い、横浜スタジアムは球場内のカウント表示を開幕までに替えるというが、多くの球場は当面、「SBO」のままだ。テレビ中継での画面表示も、従来通りのケースがほとんどのようだ。
だが、ファンに浸透させていくには、表示スタイルも変えていく必要があるだろう。
21日からは選抜高校野球大会も始まる。出場選手の中には、将来のプロ野球を担うような逸材がいるかもしれない。
これまでは、高校生、大学生とプロ選手との交流は、原則的に禁じられていた。日本学生野球憲章の規定があったためだ。
憲章は全面改正され、日本学生野球協会の承認があれば、プロとの試合や練習が解禁となった。
これを機に「プロ・アマ交流」を活発化させたい。プロの技を高校生らが学ぶことが、球界全体のレベルアップにつながる。
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