「成人」121万人の20歳に 磨きのかかった「大人」を目指せ

読売新聞 2016年01月11日

成人の日 チャレンジ精神で道を拓こう

「成人の日」のきょう、121万人の新成人が新たな門出を迎える。

大人としての自覚と責任を胸に、力強く歩み出してほしい。

新成人が生まれた1995年には、阪神大震災や地下鉄サリン事件など大きな出来事が続いた。

沈滞ムードに覆われた「失われた20年」に育った新成人は、「さとり世代」と呼ばれる。欲がなく、高望みをしない。合理性を重視し、無駄な努力や衝突を避ける傾向が強いという。

新成人を一括ひとくくりにはできないが、将来への希望を抱きにくい時代に育ったのは確かだろう。

現在、非正規労働者が雇用者の4割を超え、安定した仕事に就く道が狭まっている。競争が激化し、大企業も安泰とは言えない。若者に異常な過重労働を課す「ブラック企業」や「ブラックバイト」も社会問題化している。

新入社員を対象にした日本生産性本部の調査では、「人並み以上に働きたい」という回答は減り、「人並みで十分」という人が増えた。頑張っても報われるとは限らず、仕事にやりがいを見いだせない。そんな現状がうかがえる。

若者が意欲を持って働ける環境を作っていかねばならない。そうすることで、若者にも「社会に必要とされている」という自負心が芽生えるはずだ。

従来にない発想や価値観を生かした若者の起業が活発になっていることは、心強い。

新成人は、幼い頃からインターネットやパソコンに接してきた「デジタル世代」でもある。

ネット上で専門家の「授業」が受けられる学習動画サービスを展開する。「ごみ拾い」への参加を促すアプリを開発し、環境美化に取り組む。レンタル自転車などの事業を運営してホームレスに仕事を提供し、自立を手助けする。

こうした20歳代の若者たちが、紙面でも紹介されている。

2015年のノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智さんは、若者にこう呼び掛けた。

〈成功した人はあまり失敗を言わないが、人より倍も3倍も失敗している。失敗を繰り返して、やりたいことをやりなさい〉

新成人には、チャレンジ精神を忘れず、夢に向かって道を切りひらいていってもらいたい。

今夏の参院選から、選挙権年齢が18歳に引き下げられることもあり、若者の政治参加の在り方に関心が高まっている。見聞を広め、より良い社会にするために声を上げることが期待される。

産経新聞 2016年01月11日

「成人」121万人の20歳に 磨きのかかった「大人」を目指せ

「成人の日」を迎えた20歳の皆さん、おめでとう。大人の仲間入りをした意味をしっかりと自覚し、確かな人生を歩んでいくよう祈りたい。

1月1日時点での20歳は121万人だ。生まれたのは阪神・淡路大震災の起きた平成7年である。母親のおなかの中で大きな揺れに見舞われた人も少なくなかろう。震災直後の混乱のさなかに産声をあげた人もいるに違いない。

新成人の皆さんにはまず、これまでの成長を支えてくれた両親や家族、周りの人たちへの感謝の思いを新たにしてほしい。それが大人への第一歩となるはずだ。

何をもって大人とするかについては、さまざまな意見がある。6月には選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、それに伴って民法上の成年年齢も18歳にすべきかの検討がなされている。大人の要件が見えにくい時代になったといえるかもしれない。

それでも確実に指摘できることは、法律上の規定はともかく、大人かどうかの区別は必ずしも年齢だけで決めるものではないということだ。社会のルールや礼儀をわきまえ、自らの意思で行動し、その行動に自ら責任を負う覚悟がなければ、たとえ20歳であっても一人前の大人とは認めがたい。

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