朝鮮学校 無償化除外へ知恵を絞れ

朝日新聞 2010年02月24日

高校無償化 朝鮮学校除外はおかしい

高校無償化法案の国会審議が始まるのを前に、中井洽・拉致担当相が、在日朝鮮人の子弟が通う朝鮮学校への支援はすべきでない、と川端達夫・文部科学相に要請した。

北朝鮮は国際的な非難や制裁にもかかわらず核・ミサイル開発を進め、日本人拉致問題解決への協力も拒み続ける。その北朝鮮を支持する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の影響下に朝鮮学校があることが、理由のようだ。

北朝鮮という国家に日本が厳しい姿勢をとり、必要な外交圧力を加えるのは当然だ。しかしそれと、在日朝鮮人子弟の教育をめぐる問題を同一の線上でとらえていいのだろうか。

全国各地にある朝鮮学校のうち、高校課程に相当する高級学校は、現在10校。2千人近くが学んでいる。

朝鮮学校は日本の敗戦後、在日朝鮮人たちが、母国語を取り戻そうと各地で自発的に始めた学校が起源だ。1955年に結成された朝鮮総連のもとで北朝鮮の影響を強く受け、厳格な思想教育が強いられた時期もある。

だが在日の世代交代が進む中、教育内容は大きく変わった。大半の授業は朝鮮語で行われるが、朝鮮史といった科目以外は、日本の学習指導要領に準じたカリキュラムが組まれている。

北朝鮮の体制は支持しないが、民族の言葉や文化を大事にしたいとの思いで通わせる家庭も増えている。

かつては全校の教室に金日成、金正日父子の肖像画があったが、親たちの要望で小・中課程の教室からは外されている。そうした流れは、これからも強まっていくだろう。

学校の経営はどこも苦しい。自治体からの助成はあるが、国の支援はゼロ。年額40万円ほどの授業料に寄付も求められ、家庭の負担は重い。

高校無償化は、すべての高校生らが安心して勉学に打ち込める社会にしよう、という政策だ。

先月に閣議決定された法案は、国公私立の高校や高等専門学校に加え「高校課程に類する各種学校」を対象とする。ブラジル人学校や中華学校、朝鮮学校なども想定されていた。

外国籍の子も含めて学ぶ権利を保障することは、民主党がめざす教育政策の基本でもある。朝鮮学校の除外は、こうした理念からはずれる。

朝鮮学校に通う生徒も、いうまでもなく日本社会の一員である。

川端文科相は昨日、無償化の対象を決める際に「外交上の配慮、教育の中身は判断材料にならない」と述べた。

中井担当相は一度、川端文科相とともに朝鮮学校を視察してみてはどうだろう。

そこで学んでいるのは、大学を目指したり、スポーツに汗を流したり、将来を悩んだりする、日本の学校と変わらない若者たちのはずである。

産経新聞 2010年02月27日

高校無償化 朝鮮学校の説明は不十分

高校授業料無償化の適用を求める朝鮮学校側が、本紙を締め出して記者会見を開いた。

出席者によると、同校の幹部らは「(適用除外は)国際人権規約や日本国憲法の精神に反する不当な民族差別、人権侵害だ」などと主張したという。だが、同校が講堂に金正日総書記の肖像画を掲げるなどして行っている肝心の同胞教育の中身については何も明らかにしていない。

教育基本法は教育の目標として「我が国と郷土を愛する」などをうたっているが、朝鮮学校が国費の投入を求める以上、教育内容を明らかにするのは当然だ。

朝鮮学校は以前、万景峰号での修学旅行(祖国訪問)を通じ、金総書記への忠誠心などを植えつける教育を行っていた。今も、そのような思想教育を行っているのか。北の国家犯罪で、日本の主権と日本人の人権を侵害した拉致事件をどう教えているのか。

国民が最も知りたいのは、このようなことだ。無償化の適用除外が「民族差別」「人権侵害」に当たるか否かは、それらの内容を十分に説明してからの話だ。

朝鮮学校に無償化が適用されれば、生徒1人当たり12万円の就学支援金が支払われることになる。それは国民の税金だ。今も、北を礼賛する教育を行っているとしたら、国民は納得しないだろう。

この問題は、中井洽(ひろし)拉致問題担当相が「(北朝鮮に)制裁をかけていることを十分に考慮してほしい」との観点から、川端達夫文部科学相に朝鮮学校の適用除外を要請したことから表面化した。

鳩山由紀夫首相は中井氏の考えに賛意を示し、「そのような方向性になりそうだ」と朝鮮学校を除外する方針を示唆していた。ところが26日に一転、「結論が出ていない」と発言を後退させ、「拉致にかかわりがある話ではない」とも述べた。平野博文官房長官も拉致問題との関連を否定した。

しかし、原敕晁(ただあき)さん拉致事件では、国際手配されている北朝鮮工作員、辛光洙(シンガンス)容疑者に加え、元朝鮮学校長と朝鮮総連大阪商工会幹部の関与も明らかになっている。朝鮮総連とも深い関係にある朝鮮学校の無償化問題は、拉致問題と無関係ではあり得ない。

川端文科相は「国会の議論も踏まえながら最終的に省令で決めたい」としている。単なるカリキュラムの調査だけでなく、同胞教育の中身の精査が必要である。

産経新聞 2010年02月23日

朝鮮学校 無償化除外へ知恵を絞れ

4月から実施予定の高校無償化をめぐり、在日朝鮮人の子女が学ぶ朝鮮学校を対象から外すよう中井洽(ひろし)拉致問題担当相が川端達夫文部科学相に要請し、同省で検討が行われている。中井氏の狙いは、拉致問題で北朝鮮に強い姿勢を示すことにあるとみられる。担当相として当然の要請だ。

1月29日に閣議決定された高校無償化案では、朝鮮学校などの各種学校も「高校と同等」とみなされている。4月までに省令で定める判断基準によっては、朝鮮学校にも生徒1人当たり年額約12万円の「就学支援金」が支給される可能性がある。

朝鮮学校は、講堂に金正日総書記の肖像画を掲げるなどの同胞教育で知られる。万景峰号が日朝間を行き来していたころは、北への修学旅行(祖国訪問)を利用し、故金日成(元国家主席)・金正日父子への忠誠心や反米思想を植えつける教育を行っていた。

最近、北朝鮮が過去半世紀にわたって日本の朝鮮学校に計460億円の資金を提供し、昨年も2億円の「教育援助金」を送金していた事実も明らかになった。

しかも、北は横田めぐみさんら多くの日本人をいまだに拉致したままだ。その強い影響下にある朝鮮学校に他の各種学校と同様、就学支援金を支給するというのは、国民感情に反しよう。

平野博文官房長官は「無償化にふさわしいカリキュラムかも含めて、文科省がチェックしなければならない」と述べ、教育課程が適切でなければ無償化の対象から除外することも示唆した。

就学支援金も国民の税金である。それを使う以上、カリキュラムが日本の学習指導要領に準拠していることは最低条件である。

文科省によると、各都道府県の認可を受けた朝鮮学校は平成21年度で全国に73校あり、うち日本の高校に当たる「高級学校」は中高級学校を含めて12校だ。いずれも朝鮮総連と深い関係にある。

朝鮮学校には毎年、各自治体から5億円を超す補助金が支払われている。この支出が妥当なものか否かのチェックも必要だ。

かつて在日朝鮮人系の朝銀信用組合が破綻(はたん)した際、朝鮮総連への不透明な融資や北朝鮮への不正送金などの疑惑が指摘されながら、日本政府は1兆3600億円の公的資金を投入し、国民感情に大きなしこりを残した。このようなことは繰り返したくない。

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