国会95日間延長 安保法案を確実に成立させよ

読売新聞 2015年06月23日

国会95日間延長 安保法案を確実に成立させよ

極めて異例の大幅延長だが、安全保障関連法案の確実な成立を期すには妥当な措置である。

衆院本会議は、24日までの通常国会の会期を95日間延長することを与党などの賛成多数で議決した。

安倍首相は、過去最長の延長幅について「(安保法案の)十分な審議時間を取って、徹底的に議論していきたい」と強調した。

9月27日まで国会が延長されたことで、首相らの外交・政治日程や来年度予算の概算要求、各府省の人事への影響も懸念される。

だが、日本の安全保障環境の悪化を踏まえれば、様々な危機に備え、抑止力を向上させることは急務だ。安保法案の成立を最優先する首相の判断は評価できる。

与党は、衆院採決の目安として80~90時間の法案審議を想定するが、今は約54時間にとどまる。

野党側の強硬な抵抗戦術に加え、自民党推薦の憲法学者が「法案は違憲」と指摘するなど、政府・与党側の不手際の影響で、審議が順調に進んでいないためだ。

衆院通過が7月にずれ込むのが確実な中、政府・与党は、衆院通過60日後の衆院再可決・成立の選択肢も視野に入れている。

大切なのは、単に審議時間を長く確保するのでなく、複雑な法案の内容と必要性を丁寧に説明し、国民の理解を広げることだ。

野党にも、建設的な論戦を挑むことが求められる。多様な事態への切れ目のない対処をいかに可能にするのか、という観点の議論を深めてもらいたい。

維新の党は、対案を検討している。集団的自衛権の行使要件を厳格化し、グレーゾーン事態での自衛隊の権限を拡大する内容だ。

松野代表は与党との修正協議に慎重だが、対案を正式決定すれば、その実現を目指し、与党との接点を探るべきではないか。

地域農協の経営の自由度を高める農協法改正案など、安倍政権の経済政策「アベノミクス」に資する法案の成立も急ぎたい。

自民党などは、統合型リゾート推進法案を衆院に提出している。だが、ギャンブル依存症の人の増加など、カジノ解禁の弊害は大きい。国会の大幅延長に乗じて成立を図ることは慎むべきだ。

参院選の「1票の格差」の是正も、今国会で結論を出さねばならない。自民党を除く主要各党の主張は、人口の少ない県と隣接県を1選挙区に統合する「合区」を含む案に収れんしつつある。

是正案の合意へ、自民党も党内調整を急ぐ必要がある。

産経新聞 2015年06月25日

会期大幅延長 議論深め安保法の成立を

通常国会が9月27日まで95日間延長された。延長幅として戦後最長になったのは、安倍晋三政権として最重要課題である安全保障関連法案の成立に万全を期すためだ。

日本を取り巻く安保環境の厳しさを考えれば、集団的自衛権の限定行使容認を柱とする安保法制整備を会期内に実現するのは当然である。

ただし、これまでの議論が法案への国民の理解を大いに深めたかといえば、疑問である。政府、与野党は日数を長くとったことで弛緩(しかん)することなく、内容の濃い審議をめざすべきだ。

法案審議の序盤では、首相自身が不用意なやじを飛ばし、衆院憲法審査会で自民党の招いた憲法学者による「違憲発言」が飛び出すなど、要らぬ足踏みをした。

こうしたことが、「戦争法案」とレッテルを貼って成立を阻止しようとする野党を勢いづけた印象はぬぐえない。

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