「1票の格差」違憲 国会の怠慢は許されぬ

毎日新聞 2015年03月26日

「1票の格差」違憲 国会の怠慢は許されぬ

福岡高裁が違憲と判断した。

読売新聞 2015年03月29日

衆院1票の格差 違憲状態判決に気を緩めるな

国会は、判決の真意を見誤らず、選挙制度改革に真剣に取り組むことが求められよう。

「1票の格差」が最大2・13倍だった昨年12月の衆院選に関する高裁の憲法判断が出そろいつつある。17件の訴訟のうち、これまでの判決は「合憲」が4件、「違憲状態」9件、「違憲」1件である。

2012年の衆院選を巡る高裁段階の判決は、違憲状態が2件に対し、違憲が14件を占めるという異例の事態となった。違憲のうち2件は「選挙無効」にまで踏み込む無責任な判決だった。

今回、違憲が大幅に減り、違憲状態が増えたのは、12年衆院選を「違憲状態」と認定した13年11月の最高裁判決の影響が大きい。

最高裁は、違憲か違憲状態かを判断する際、容認できない格差を放置した期間の長短だけでなく、是正に必要な立法措置や作業の内容などを総合的に考慮すべきだとする新たな基準を示した。

今回、違憲状態とした高裁判決は、この考えを踏襲している。

衆院選挙区画定審議会設置法は1票の格差について、「2倍未満」を基本とすると定めている。国会は、昨年の衆院選前に、選挙区定数を「0増5減」し、格差をいったん2倍未満に抑えた。

「違憲状態」判決は、こうした経緯も重視している。立法府の持つ裁量権に配慮を示した現実的な判断と言えよう。

もっとも、「違憲状態」判決も、格差の現状に対し、「憲法の求める投票価値の平等に反する」と判断している点では、「違憲」判決と変わらない。

衆院選挙制度改革に関する有識者調査会は、格差是正のために定数を各都道府県に配分し直す新方式を検討している。

現時点で有力とされるのが、第6代米国大統領の名にちなむ「アダムズ方式」だ。現行制度より人口比を反映する方式で、これを採用すれば、定数は「9増9減」され、都道府県間の最大格差が1・598倍に縮小するという。

1票の格差を中長期的に「2倍未満」に抑える観点から、さらに議論を深めてもらいたい。

調査会は、定数削減も議論しているが、主要各党の主張は、削減幅などが大きく異なる。合意点を見いだすのは容易ではない。

そもそも定数を減らせば、行政監視など国会の機能が低下しかねない。人口比で見れば、日本の議員数は欧州などより多くない。調査会は、定数削減を切り離し、格差是正策をまとめるべきだ。

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