原発の断層評価 首相が調整すべき事態だ

毎日新聞 2015年03月29日

原発活断層評価 疑わしきは「クロ」貫け

日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の直下を通る破砕帯(断層)について、原子力規制委員会の有識者調査団は、活断層であることを改めて認定する報告書をまとめ、規制委に受理された。

産経新聞 2015年03月27日

原発の断層評価 首相が調整すべき事態だ

安倍晋三首相は、公正感に欠けるこの事態を看過するつもりなのか。

原子力規制委員会が、同委の下にある有識者会合のまとめた日本原子力発電・敦賀発電所(福井県)敷地内の破砕帯に関する評価書を受理した件である。

評価書は、同発電所2号機(加圧水型・116万キロワット)の原子炉建屋の下の破砕帯を「活断層」と判断する内容だ。原発の新規制基準では、廃炉を意味する評価である。

問題なのは、作成の手続きや、活断層と結論づけた検証作業の適正さに重大な疑問を残したまま、評価書が受理されたことだ。

敦賀発電所の敷地内には、原子炉建屋の東方に浦底断層という活断層が走っている。民主党政権時代、そこから枝分かれしているように見える当該破砕帯も活断層ではないか、と疑われたことから、他の5発電所とともに重点調査の対象に選ばれた。

敦賀発電所の破砕帯に関する有識者の評価会合などは平成24年12月以来、12回開かれている。日本原電は活断層ではないことの論拠を示そうとしたが、説明を妨げられる場面が繰り返されてきた。

日本原電は、一連の経過を不公正と主張し、有識者会合がまとめた今回の評価書に、63カ所の誤りがあると指摘する質問状を出したが、無視された。

実は、有識者会合の専門家16人中、敦賀発電所担当の4人以外の専門家の一部には、活断層説を疑問視する声がある。

担当以外の専門家の意見を求めるピアレビュー(検証会合)が昨年12月10日に開かれた際、会合の実施方法を説明する規制委名の文書に操作と見なされてもやむを得ない部分があった。活断層説を疑う意見が、評価書案に反映されなかった要因の一つだ。

原子力規制庁は「事務方の手違い」としているが、それで済まされるレベルの問題ではなかろう。首相には、重大な過誤の事実解明について指揮を執ってほしい。

この一件を見ても、規制委には改善の余地が大きい。規制委は設置法の付則で、設置3年の今年9月までに見直し措置を加えると定めている点を想起すべきだ。

規制委は独立性の高い三条委員会であっても、国の行政機関だ。行政権は内閣に所属している。最高責任者である首相が、健全な規制委の方向性を示すときだ。

この記事へのコメントはありません。

この社説へのコメントをどうぞ。
お名前
URL
コメント

この記事へのトラックバックはありません。

トラックバックはこちら
http://shasetsu.ps.land.to/trackback.cgi/event/2148/