アジア投資銀行 積極関与を考える時だ

毎日新聞 2015年03月24日

アジア投資銀行 積極関与を考える時だ

中国が主導し年内の設立を目指しているアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、加盟を表明する国が相次いでいる。創設メンバーとして組織の骨格づくりに参加するには、月末までの意思表明が必要なのだが、日本はまだである。

読売新聞 2015年03月26日

アジア投資銀 中国の支配力が強すぎないか

中国主導で年内の発足を目指す「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に、30か国以上が参加する見通しとなった。

当初はアジアや中東など21か国が設立を発表したが、今月末に創設メンバーの申請が締め切られるのを前に、先進7か国(G7)の英独仏伊をはじめ、10か国以上が参加を表明した。

欧州各国には、AIIBを通じて中国との関係を強化し、成長するアジアでの投資機会を増やしたい思惑がある。日米に比べて安全保障面で中国と利害がぶつかることが少なく、参加のハードルが高くない事情もあるのだろう。

ただ、AIIBは、中国が最大の出資国となり、本部は北京、初代総裁も中国人となる方向だ。経営陣の構成や融資案件を決める基準の指針は、示されていない。

これでは、中国が過度の支配力を持ち、中国企業の受注を融資条件とするなど、自国に有利な運営が行われる疑念が拭えない。参加国の拠出した資金が中国の意のままに配分され、アジアでの影響力強化に流用されないだろうか。

中国がアフリカなどで行ってきた開発支援には、環境保護や人権への配慮を欠いたケースが少なくないという指摘もある。

安倍首相がAIIBに関し、「公正なガバナンス(統治)を確立できるか、慎重な検討が必要だ」と述べているのはもっともだ。統治体制や運営に関する懸念が解消されない限り、日本が出資国に名を連ねるのは難しかろう。

AIIBが参加国によって適正に運営されれば、インフラ整備に潤沢な資金が供給され、アジア経済の発展に資するはずだ。

だが、審査が甘いようだと返済能力を超える融資が横行し、焦げ付きのリスクが高まる。アジア開発銀行(ADB)など、別の貸し手にも損失が及ぶ恐れがある。

世界経済の基盤である国際金融秩序が、AIIBによって揺さぶられる事態は好ましくない。

重要なのは、AIIBが国際機関にふさわしい運営の透明性や公正性を確保することだ。

米国は今のところ参加を見送る一方、「世界銀行やADBなど既存の機関と共同で融資を行うことが高い基準の確保につながる」との見解を示している。

AIIBを世銀やADBとの共同事業に取り込むことを通じて、審査や融資の適正化を迫る道を探っているのだろう。

日本も米国と協調し、AIIBが国際ルールに基づいて運営されるよう働きかけねばならない。

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