公示地価 街の魅力向上で回復を地方に

毎日新聞 2015年03月25日

地価の回復傾向 デフレ克服の追い風に

国土交通省が発表した1月1日時点の公示地価は、商業地が全国平均で7年ぶりに前年比横ばいにまで回復し、住宅地も5年連続で下落幅を縮小して回復傾向が強まった。

読売新聞 2015年03月23日

公示地価 街の魅力向上で回復を地方に

地価の回復傾向が、一段と強まってきた。

国土交通省が発表した1月1日時点の公示地価は、東京、大阪、名古屋の3大都市圏の住宅地と商業地が2年連続で上昇した。

下落を続けていた全国平均の商業地は、横ばいとなった。住宅地はマイナスだったが、下落幅は5年連続で縮小した。

都心などでは、企業業績の改善に伴い、オフィス需要が拡大している。大胆な金融緩和による余剰資金や、円安で流入した大量の海外マネーも、不動産取引を活発化させている要因だ。

安倍政権の経済政策「アベノミクス」が、地価の回復を後押ししていると言えよう。地価の適度な上昇が、デフレ懸念を和らげ、設備投資や消費などの活性化につながることが期待される。

ただ、昨年4月の消費増税後に冷え込んだ住宅市場の復調は遅れ気味だ。資材値上げや人手不足で建設費が高騰し、首都圏の郊外などでは、新築マンションの契約率が低下している。地価動向の先行きは予断を許さない。

法人税実効税率の引き下げなどで企業投資を促進し、不動産への実需を高めることが大事だ。

気がかりなのは、地方圏の地価が23年連続のマイナスとなり、都市部と比べて回復の歩みが遅い状態が続いていることである。

地方圏のうち札幌、仙台、広島、福岡の中枢4都市は、2年連続で上昇した。地方での地域間格差も広がっている。

地価は、経済や社会の活力を示す一つのバロメーターとなる。地価低迷は、「地方衰退」の警報と受け止めるべきだろう。

安倍政権は、重要課題に掲げる「地方創生」の施策を着実に実行し、人口流出や地域経済の地盤沈下を食い止めねばならない。

地域医療体制の充実や子育て支援策、特色を生かした産業の育成などにより、多くの人が「住みたい」と思える街づくりを推進することが求められる。

局地的に地価が跳ね上がる「ミニバブル」の兆候もある。東京五輪が開催される臨海部などでは、上昇率の高い地点が目立つ。

住宅地は、上昇率の全国トップ10のすべてが、福島県いわき市内の調査地点だった。福島第一原子力発電所事故の避難者が帰還を諦め、移住する動きが広がっているためだという。

投機的な思惑でさらに地価が急騰し、被災者の生活再建に支障が出ないよう、政府や自治体は監視を強める必要がある。

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