60歳の自民党 寛容さと多様性どこへ

毎日新聞 2015年03月08日

60歳の自民党 寛容さと多様性どこへ

自民党はきょう党大会を開き2015年の運動方針などを決定する。同党は今年11月、結党60年を迎える。そんな節目の年の運動方針案は「新たな扉を開こう」と題し、結党以来の党是である憲法改正について「憲法改正賛同者の拡大運動を推進する」と明記したのをはじめ、安倍晋三首相(党総裁)の意向を色濃く反映した内容となっている。

読売新聞 2015年03月09日

自民党大会 1強に慢心せず改革断行せよ

将来世代に豊かな日本を引き継ぐため、「痛み」を伴う改革にも正面から取り組む。それが政権党の責務である。

今年で結党60年となる自民党が党大会を開いた。

安倍首相は、経済政策「アベノミクス」による雇用改善などを強調し、「この流れを変えず、しっかりと加速させる」と述べた。

大会で採択した今年の運動方針は、東京五輪の2020年を見据えて、経済再生と財政再建の両立や地域活性化、女性の活躍促進などに取り組む方針を明記した。

12年12月に政権復帰した自民党は、13年参院選と14年衆院選に連勝した。「1強」体制を維持できているのは、野党の足並みの乱れに加え、政策の実行力に対する有権者の期待の表れだろう。

慢心することなく、一つ一つに結果を出すことが求められる。

最優先は強い経済の確立だ。

首相は、農業、医療などの「岩盤規制」を打破し、産業の活力を高める成長戦略を掲げる。

ベテラン議員の引退などで、業界・団体の利益を代弁する族議員の政治力は低下しつつある。自民党は、大局的観点から、安倍内閣の規制改革を後押しすべきだ。

国の借金が1000兆円を超えた危機的な財政の健全化へ、具体策を講じることも急務である。

自民党は、稲田政調会長を委員長とする特命委員会を設置し、歳出削減策などの検討を始めた。政府が夏までに策定する新たな財政再建計画に反映させる予定だ。

社会保障費の膨張を抑制するには、高齢者らの負担増など、不人気な政策にも逃げずに向き合うことが大切だ。政権基盤が安定している今こそ、その好機である。

党大会に来賓として出席した公明党の山口代表は、連立政権について「互いの持ち味を生かして粘り強く合意に至らしめるという意義がある」と強調した。

安全保障法制に関する与党協議が本格化している。自衛隊の海外での活動拡大に積極的な首相と、慎重な公明党には温度差がある。連立政権を長年維持してきた経験を踏まえ、双方が歩み寄り、現実的な法案をまとめるべきだ。

運動方針は、結党以来の党是である憲法改正実現へ、各党と連携した改正原案の作成や、国民の理解を得る運動の推進を掲げた。

自民党は、来年夏の参院選以降、憲法改正の発議を目指すという。与野党で改正テーマの絞り込みを進めつつ、世論の機運をいかに高めるか。緻密な戦略と、周到な準備が欠かせない。

産経新聞 2015年03月09日

自民党 政策実現には自己改革も

結党60年を11月に迎える自民党が党大会で、統一地方選の勝利や憲法改正を目指す運動方針を採択した。

昨年暮れの総選挙で291議席を得た政権与党として国民の負託に応える責任は重い。国民の信頼を失わないよう党の改革を進めつつ、大胆に政策を遂行してほしい。

国民の最大の関心は経済再生にある。安倍晋三首相は総裁演説で「戦後以来の大改革に挑んで、成長戦略を前に前に進めたい」と強調した。その通り懸案の地方創生や農協改革を断行し、それらを追い風に、強い日本の復活に取り組んでもらいたい。

日本の守りも重要な課題となっている。首相は「自民党には日本人の命と平和を守っていく大きな責任がある」と述べ、集団的自衛権の限定行使の容認を柱とする安全保障法制の整備を表明した。

安保法制に対しては、徴兵制につながるといった事実に反する批判が存在する。党を挙げて法整備の必要性を、分かりやすく国民に説かなければならない。

政策遂行していく中で不安がないわけではない。国会で「一強多弱」でありながら、党に優秀な人材が足りないといわれている。2月の西川公也氏の辞任で、林芳正氏が農林水産相に就任した際、林氏が就いていた複数の党政策ポストの後任人事が難航したのはその例だろう。

自民党はここ数回の選挙でベテランの多くが引退したが、後進が十分に育っていない。政策を立案して国の将来を示すことができる人材を育てていかなければならない。それなくしては、活発な党内論議は期待できないだろう。

人材育成や中堅若手の抜擢(ばってき)を進めなければ、政権政党としての基礎体力が落ち、日本政治の劣化を招く。首相や党執行部は深刻にとらえてほしい。

閣僚を中心に「政治とカネ」などの不祥事が目立っているが、党大会では自戒の言葉はほとんど聞かれなかった。「古い自民党」に戻ったと国民にみなされれば支持率に反映し、改革が滞る。

謙虚に反省し、政治資金規正法改正など具体的な改革に自ら取り組むべきではないか。

党運動方針は、憲法改正が党是であることを「保守政党の矜持(きょうじ)」とうたったが、首相は総裁演説で憲法改正に触れなかった。国民、党員への訴えを強めてほしい。

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