就活スタート やっぱり自分を磨こう

毎日新聞 2015年03月03日

就活スタート やっぱり自分を磨こう

2016年春に卒業予定の大学生の就職活動が始まった。これまでは会社説明会が3年生の12月からだったが、3カ月繰り下げられた。短期決戦となり、焦る学生も多いだろうが、じっくり自分の将来を考えて就職先を選ぶべきだ。社会は変わっていく。長期的な視野で、自立した社会人になることを目指してほしい。

産経新聞 2015年03月05日

就活解禁 産業界全体で趣旨尊重を

来年春に卒業予定の大学生の就職活動が今月から解禁された。経団連の新ルールで会社説明会の開始が3カ月繰り下げられた。学生にとって就活が短期決戦となり、学生と採用側双方に戸惑いもみられるようだ。

一方で、経団連に加盟していない外資系などでは、すでに採用活動を本格化している企業もある。新たなルールは、学生が学業に専念する時間を確保する目的で始まったものだ。産業界全体でこの趣旨を尊重するように求めたい。

最近の就活では、大手有名企業に志望が殺到する傾向が顕著になっている。大手に落ち続けて自信を失う学生も少なくない。中堅・中小にも優れた企業は多い。学生には幅広い視点を持って就活に臨んでもらいたい。

政府の要請を受けた経団連は、今年から加盟企業向けの新卒採用指針を改定した。現在の大学3年生から、「会社説明会の解禁を3月、面接などの選考開始は8月」として昨年よりもスタート時期を繰り延べた。学生が短期留学やゼミ合宿参加など、時間を有効に使うことを期待したものだ。

ただ、10月1日の内定式は変わらないため、採用側は学生の選考期間がわずか2カ月となった。採用側は大学などと連携し、混乱のないように努めてほしい。

今年は景気回復の動きで企業業績も改善し、新人に対する採用意欲も高い。今春卒業予定の大学生の就職内定率は昨年12月1日現在で80・3%となり、リーマン・ショック前の内定水準に戻った。

このため、経団連加盟企業の中には、一部企業が採用活動を始めたことで「優秀な人材が先に採用されてしまう」との不満もある。疑心暗鬼が広がれば、ルールが有名無実化しかねない。順守を徹底させる工夫が必要だ。

全国の国公私立大でつくる「就職問題懇談会」は、いち早く内々定を出して学生を囲い込む企業などを調査している。

新ルールは政府の要請でつくられたものだ。政府も周知徹底にとどまらず、こうした大学同士の取り組みを後押ししてほしい。

「新卒一括採用」の見直しも急務だ。個性ある人材を求めるのならば、通年採用などに移行し、留学や就業経験がある人をもっと採用すべきだろう。企業に成長を促すイノベーション(技術革新)には多様な人材が欠かせない。

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