総連ビル転売 明確な経緯説明求めたい

毎日新聞 2015年01月31日

朝鮮総連本部 転売の経緯に疑問残る

競売で高松市の不動産会社マルナカホールディングスが約22億円で落札した在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地建物が、山形県酒田市の不動産会社に44億円で転売されるという。総連が賃借により継続使用する見通しだ。

産経新聞 2015年01月30日

総連ビル転売 明確な経緯説明求めたい

懸念していたことが起きた。都心の一等地にある在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部ビルが、競売で落札した不動産業者から別の業者に転売され、朝鮮総連が賃借で入居を続ける見通しとなった。

さまざまな関係者が登場して入札が繰り返される展開のあげく、本部維持を強く望んでいた総連を利する形になったといえる。

中央本部は北朝鮮の「大使館」としての機能を持つ一方、対日工作や事件にかかわってきたとされ、公安調査庁などは競売の行方を警戒していた。

転売の当事者や仲介者には、総連との関係や売買資金などをよく説明してもらいたい。それなしには、一体この入札は何だったのかという疑念は消えまい。

本部ビルが競売にかけられた発端は、破綻処理で多額の公的資金が投じられた在日朝鮮人系信用組合の不良債権問題にある。朝鮮総連に対する約627億円の債権を引き継いだ整理回収機構が、競売を申し立てた。

競売は1回目の入札で落札した宗教法人が資金を調達できずに断念し、2回目の入札でモンゴル企業が落札したものの、提出書類の不備で無効とされた。その結果、次点だった高松市の不動産業「マルナカホールディングス」が約22億円で落札した。

同社は「朝鮮総連の関係先に売却することはない」と明言していたが、山内俊夫元参院議員から山形県の不動産会社への転売を持ちかけられ、約44億円で転売する契約を結んだという。

山内氏は「日朝関係を考えてのこと」などと仲介理由を説明しており、総連は転売先から賃借して入居を続けるとみられる。

血税が投じられた不良債権問題で、その債務者が立ち退かずに入居し続ける事態となれば、国民の理解が得られるだろうか。民間取引だといっても、転売先業者がどこから資金を調達したのか、朝鮮総連と適正な賃貸契約が結ばれるのかなど、疑問点は多い。

日朝協議の交渉過程で、北朝鮮側はこの競売について日本政府に配慮を求めたが、菅義偉官房長官は「裁判所で手続きが行われており、司法に政治は介入できない」との見解を示していた。

この件で北朝鮮に譲歩したと受け取られてはなるまい。政府にも明確な説明を求めたい。

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