長野北部地震 助け合いの精神生きた

毎日新聞 2014年11月26日

長野北部地震 助け合いの精神生きた

最大震度6弱の地震が22日夜、長野県北部を襲った。白馬村などで多数の住宅がつぶれ、40人を超える重軽傷者が出たが幸いにも死者や行方不明者はいなかった。

読売新聞 2014年11月27日

長野北部地震 「共助」が犠牲者ゼロの要因だ

震度6弱を記録した大きな地震だったが、一人の死者も出なかった。

災害が起きた際、住民同士の助け合いがいかに大切か。そのことを実感させられた。

長野県北部を襲った地震では、40人以上が負傷し、全半壊を含め住宅約500棟が損傷した。22日夜の発生以来、多数の住民が避難を余儀なくされている。

豪雪地域である。本格的な冬を前に、政府や長野県などは、被災者の仮住まいの確保など支援活動を加速すべきだ。

震源は、本州を南北に横切る国内最大級の「糸魚川―静岡構造線断層帯」北部だった。地震のエネルギーが集まる「新潟―神戸ひずみ集中帯」の一部でもある。周辺地域での地震を誘発する可能性も指摘されている。

政府や関係自治体には、十分な警戒が求められる。

今回、被害が大きかったのが白馬村だ。高齢者や幼児らが倒壊家屋の下敷きになった。夜にもかかわらず、近所の住民たちが、すぐさま現場に駆けつけ、ジャッキなどでがれきを持ち上げて、被災者を救い出した。

地域の人たちが各戸の家族構成を把握していなければ、がれきの下に取り残される人が出たかもしれない。古くからの住民が多く、「顔の見える」付き合いが浸透していたことが、犠牲者がゼロだった大きな要因と言えよう。

大規模災害時には、行政機関の機能が麻痺まひするケースがある。道路が寸断され、救援隊の到着が遅れることも少なくない。今回の地震を契機に、地域での「共助」の重要性を再認識したい。

内閣府の調査によると、地震や津波で孤立する恐れがある集落は、全国で1万9160か所に上る。その多くが、高齢の住民が多い過疎集落だ。

人口減が加速する中、災害弱者を地域で守る共助の仕組みを築くことが急務である。

災害対策基本法は昨年の改正で、介護が必要な高齢者や障害者など、自力での避難が難しい「避難行動要支援者」について、氏名や住所、必要な支援を記した名簿の作成を市町村に義務づけた。

万一の際の備えとして、名簿情報を活用し、誰がどの要支援者に対応するのか、地域ごとのきめ細かな避難支援計画などを作成しておくことが大切だ。

首都直下地震や南海トラフ巨大地震も想定される。近所付き合いが希薄な都市部の住民同士の協力体制作りは、大きな課題だ。

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