会計検査院報告 無駄遣いにあきれる

毎日新聞 2014年11月14日

会計検査院報告 無駄遣いにあきれる

会計検査院が2013年度決算の検査報告をまとめた。税金の使い道に問題ありと判断したのは595件で金額は約2831億円に上った。

読売新聞 2014年11月16日

会計検査院報告 命に関わる予算の有効活用を

国の借金が1000兆円を超え、財政状況は厳しさを増している。各府省には予算の適正な執行が求められる。

会計検査院が2013年度の決算検査報告書をまとめた。指摘された税金の無駄遣いや徴収漏れなどは595件、計2831億円に上った。

検査院は近年、公費で成り立つ制度や事業が有効に運用されているかという観点で、府省の予算をチェックしている。今回の報告書でも、社会保障予算の執行状況に厳しい目を向けた。

例えば、75歳以上の後期高齢者の高額医療費を国が一部負担する制度だ。10~12年度に13億円超の国費が過大に支払われていた。

医療機関への支払い業務を担う都道府県の広域連合が、提出された診療報酬明細書(レセプト)を重複計上して、国に請求したのが原因だ。厚生労働省は、ずさんな事務処理の再発防止策を講じ、広域連合を指導する必要がある。

検査院は、入院の必要性が低い高齢者の病床を介護施設に転換する事業の進捗しんちょく具合も調べた。医療費を抑制するための事業だが、実際に転換したのは、当初見込みの15%にとどまっていた。

その結果、政府や自治体などが拠出した67億円のうち、55億円が塩漬け状態だった。厚労省の見通しの甘さは否定できまい。事業計画を再検討すべきだろう。

社会保障費は、最大の歳出項目だ。制度の維持には、無駄な支出を排することが欠かせない。

報告書では、防災事業の問題点も浮かび上がった。

23道県にある106の治水ダムでは、上流から流れ込んだ土砂が予想以上に堆積し、大雨に備えて空けておくべき容量が十分でなかった。国土交通省や自治体の維持管理に問題はないのか。

堤防の漏水量などの計測や、故障した地震計の修繕を3年以上行っていないダムも25を数えた。

ダムの治水機能が低下すれば、洪水のリスクが高まる。検査院が問題の見つかったダム名を公表したのは、警鐘を鳴らす意味で妥当な措置と言える。

電柱の地中化事業では、電線を地中に通す施設が完成したのに、電柱と電線が5年以上もそのままになっている地点が少なくとも54か所あった。このうち47か所が災害時の緊急輸送道路に指定されていたことは、見過ごせない。

地震で電柱が倒れると、救助や消火活動が妨げられる。

国民の生命に関わる投資は、きちんと生かすことが肝要だ。

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