新聞週間 情報社会の礎として

毎日新聞 2014年10月15日

新聞週間 情報社会の礎として

きょうから新聞週間が始まる。

読売新聞 2014年10月16日

新聞週間 正確な報道で信頼回復したい

真実を追究し、正確かつ公正に報じる。新聞の在り方が、今ほど問われている時はない。

新聞週間が始まった。虚偽証言に基づく慰安婦報道と、東京電力福島第一原子力発電所事故を巡る「吉田調書」の記事について、朝日新聞が誤りを認め、取り消すという問題が起きた中で迎えた。

新潟市で開かれた新聞大会で、朝日新聞の木村伊量社長は、「吉田調書」報道などに関し、「新聞メディア全体に対する信頼を大きく損なわせた」と謝罪した。

慰安婦問題の誤った報道については、「第三者委員会の検証結果を尊重したい」と述べた。

戦時中、韓国で女性を強制連行し、慰安婦にしたという虚偽の証言を、朝日新聞は繰り返し報じ、今年8月まで取り消さなかった。国による強制連行があったとの誤解が世界に広がり、日本の国益を損ねたことは間違いない。

一連の問題について、朝日新聞は、社内外のメンバーで構成される委員会も新たに発足させ、意思決定の過程や企業体質を今後、検証するという。

大会では、しっかりとした検証を望む声が上がった。朝日新聞には、問題点を洗い出し、再発防止策を講じることが求められる。

読売新聞が9月末に実施した世論調査では、「新聞が事実やいろいろな立場の意見を公平に伝えている」と回答した人は58%にとどまり、この質問を始めた1991年以来、初めて6割を切った。

「新聞報道を信頼できる」と答えた人は80%だったが、昨年より6ポイント減っている。逆に「信頼できない」という人は17%で、5ポイント増えた。国民が新聞報道に厳しい目を向けていることを痛感する。

読売新聞も2012年10月、日本人研究者の虚偽の説明に基づいて、「iPS細胞から作った心筋細胞を患者に移植した」という誤った記事を掲載した。

白石興二郎・読売新聞グループ本社社長は、掲載直後の新聞大会で、「新聞の信頼を傷つけたことを読者や関係者におわびしたい」と謝罪している。

インターネット上には、様々な情報があふれている。真偽不明のものも少なくない。こうした時代だからこそ、読者が新聞に期待するのは、記事の正確性だろう。

今年の大会では、「正確で公正な報道に全力を尽くす」との決議を採択した。国民の「知る権利」に応える。その重い使命を胸に刻み、新聞界全体で読者の信頼を取り戻す努力を重ねていきたい。

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