国語世論調査 議論する力を養おう

毎日新聞 2014年09月25日

国語世論調査 議論する力を養おう

若い世代のコミュニケーションが「キャラ(キャラクター)を演じる」(その場で、物語の登場人物のように役割を演じる)ことに終始しているのなら、いかにも寂しい。文化庁が24日に公表した2013年度「国語に関する世論調査」で興味深い結果がうかがえた。今後の日本人に必要な言葉の能力とはどういうものなのか、考えるきっかけにしたい。

読売新聞 2014年09月26日

国語世論調査 誤用に気づく契機にしたい

本来の意味とは異なることを知らずに、誤った使い方をしている言葉はないだろうか。

例えば、「煮詰まる」だ。議論が尽くされ、結論が出せるようになった状態を示す慣用表現だが、4割の人は、議論が行き詰まった状態と思い込んで使用している。

文化庁が16歳以上の男女を対象に実施した「国語に関する世論調査」の結果で明らかになった。

「世間ずれ」は、世間を渡ってずる賢くなっていることを示す言葉だ。正しく使っている人は3割にとどまり、半数以上が誤って、世の中の考えから外れている意味で用いていた。

眠らないでいる状態を表す「まんじりともせず」も、半数の人が、じっと動かないでいるという意味で使っている。

いずれの表現も、若い年齢層ほど誤用が多い傾向がある。調査結果を言葉の正しい意味を知るきっかけとしたい。

文化庁は、慣用表現の意味や使い方を説明する動画を作り、ホームページなどで公開している。啓発に努めてほしい。

敬語の使い方では、不適切だったり、ふさわしくなかったりする表現に気づく人が増えている。誤用をなくす上で明るい材料だ。

「お客様、どうぞいただいてください」という文は、謙譲語の「いただく」を尊敬語と間違えている。この例文について、7割以上が「気になる」と答えた。10年前よりも8ポイント増えた。

若年層では、人間関係を円滑に進めるために、敬語を重視する傾向がうかがえる。接客のアルバイトなどの研修で、学生時代から敬語を学ぶ機会が増えていることも影響しているのだろう。

今回の調査では初めて、名詞などに「る」「する」をつけた言葉の使用状況も調べた。

代表格が「チンする」だ。9割の人が、電子レンジで加熱する際に使っている。全ての年齢層ですっかり定着したと言える。

「サボる」「お茶する」「事故る」なども使用率が高い。

一方で、否定する意味の「ディスる」や、挙動不審な態度を示す「きょどる」などは、一部の若者がネット上などで使っているだけで、一般化はしていない。

言葉は時代とともに変化する。新しい言葉も次々と生まれる。

若者の間では広く使われている表現でも、高齢者には通じないこともあるだろう。意図を正しく伝えるため、場面に応じて用いる心配りが必要だ。

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