法科大学院 質を高め理念の実現を

朝日新聞 2014年09月12日

法科大学院 質を高め理念の実現を

今年の司法試験合格者が前年より1割減り、8年ぶりで2千人を下回った。

法曹人口を増やすとともに、法科大学院中心の法曹養成のしくみに改める改革を進めてきたこの10年間で初めての大幅な減少である。

法科大学院をメーンに据えた現行の法曹養成制度は、裁判員制度と並ぶ司法制度改革の柱だった。政府は02年、当時1200人程度だった司法試験合格者数を10年に3千人にする目標を掲げた。04年には法科大学院が開学し、その修了を司法試験受験の条件とした。

その結果、法曹人口は現在約4万人で、00年から倍増している。「弁護士過疎」と言われた地方にも司法サービスを行き渡らせる着実な成果が出ている。地裁支部の管内に弁護士がいないか、1人で紛争の相手方につく弁護士がいない「ゼロワン地域」は、96年には78カ所あったが11年になくなった。

一方で、司法試験に合格しても就職できない、仕事がない、という現実も生じている。司法修習後、先輩弁護士の事務所で助言をもらいながら経験を積む従来のやり方は機能しなくなっている。

結局、政府は昨年7月に合格者3千人目標を撤回した。

法科大学院から見ると、この10年間は逆風続きだ。そもそも実務家に必要なことを幅広く身につける法科大学院が必要とされたのは、超難関で知識偏重になりがちだった旧司法試験の反省からだ。

しかし、一時は74あった法科大学院のうち20校は合格率がふるわず募集を停止している。政府は合格実績などを見ながら、来年度から補助金を減らす方針で、法科大学院の絞り込みはさらに進みそうだ。

厳しい生存競争には、法科大学院は教育の質を高めて臨むしかない。法科大学院でしっかり学べば、大方の学生が司法試験を通り、実務に優れた人材になるという当初の理念を実現できるのか。法科大学院の真価が問われるのは、これからだ。

法科大学院ではなく予備試験を経た合格者が、11人に1人にまで増えている。

社会人受験者などを想定した特例だが、法曹への最短コースとして学生が挑戦する現実がある。法科大学院の充実が図られるのであれば、予備試験のあり方も検討するべきだろう。

法曹養成制度の変化で、法曹を志す人たちが振り回されてきたことは否めない。意欲ある人を逃さない、公平で先の見通しがきく制度を確立したい。

毎日新聞 2014年09月15日

法科大学院 提携や統合で質高めよ

今年の司法試験の合格者は1810人で、2006年以来8年ぶりに2000人を割り込んだ。合格率も22.6%で、法科大学院修了者の受験が始まった同年以降最低だった。

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