防災の日 大震法放置は許されない

毎日新聞 2014年09月01日

防災の日 身を守る力を備えよう

広島市の大規模土砂災害は、今も懸命の捜索・復旧活動が続く。

産経新聞 2014年09月01日

防災の日 大震法放置は許されない

広島の土砂災害をはじめ、今夏は記録的豪雨による災害が相次いだ。また、日本海で大規模地震が発生した場合の津波の想定も発表された。

きょうは「防災の日」である。自然災害は日本列島のどこでも起こり得る。地震・津波や風水害への備えと心構えを一人一人が再確認したい。

大正12年の9月1日、関東大震災が発生した。今年は昭和東南海地震(昭和19年12月)から70年の節目にもあたる。2年後の21年暮れには昭和南海地震が起きた。

南海トラフの次の巨大地震では東日本大震災を大きく上回る被害も想定される。大震災以降、地震・津波対策の強化は進んだが、国の地震防災の根幹にかかわる問題が置き去りにされている。

大規模地震対策特別措置法(大震法)のことである。

大震法は36年前の昭和53年に制定された。現在の地震学の知見からみると、防災上の弊害になりかねない大きな欠陥が2つある。直ちに撤廃し、改めるべきだ。

欠陥の1つは「東海地震の予知」を前提としてきたことで、もう1つは「東海地震の単独発生」を想定していることだ。

予知に関しては、中央防災会議が昨年「確度の高い地震予測は困難」との見解を示した。東海地震の予知を断念すべきかどうかはまだ議論がある。予知の可能性を追求し、観測を続けることは一概に否定しない。だが予知に依存しない防災体制を確立するためには、大震法を見直す必要がある。

より大きな問題が「単独発生」の想定がもたらす弊害だ。

次の南海トラフの活動で「東海地震の震源域だけが動く」と予測する地震学者は、おそらく今はいない。歴史的に東海地震は単独ではなく、東南海、または東南海・南海地震と一緒に起きている。

例えば、東海地震の前兆現象が観測された場合、東南海、南海地震への警戒も絶対に必要だ。防災の観点から「東海地震だけ」に備えることはありえない。

現行の大震法は昭和の東南海、南海地震から年月が浅い時期の学説を根拠に、予知情報や警戒宣言などあらゆる対策が「東海地震だけ」を対象としている。

このまま南海トラフの巨大地震が起きれば情報が混乱し、被災地対応に支障をきたす恐れがある。大震法の放置は許されず、地震防災の法体系を改めるべきだ。

この記事へのコメントはありません。

この社説へのコメントをどうぞ。
お名前
URL
コメント

この記事へのトラックバックはありません。

トラックバックはこちら
http://shasetsu.ps.land.to/trackback.cgi/event/1932/