GDP大幅減 消費につながる賃上げを

毎日新聞 2014年08月14日

増税後の景気 消費回復がカギになる

4~6月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は、年率換算で前期比6.8%の大幅減だった。消費増税前の3月まで、自動車や家電のほか、衣料や日用品にも駆け込み需要が広がり、4月以降に反動から個人消費が大きく下落したのが原因だ。

読売新聞 2014年08月14日

GDP大幅減 消費回復の後押しが必要だ

消費税率引き上げに伴う個人消費などの落ち込みは、当初の想定より大きかったようだ。

消費増税の悪影響を長引かせないよう、政府と日銀は経済政策のかじ取りに万全を期さなければならない。

内閣府が発表した4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、前期比1・7%減と、2四半期ぶりのマイナス成長になった。年率換算で6・8%減と、東日本大震災による落ち込み以来、約3年ぶりの大幅な減少である。

4月の消費増税前に駆け込み需要で伸びた個人消費は、前期比5%減と、前回の消費増税があった1997年4~6月期の3・5%減より大きなマイナスだった。

甘利経済財政相は先行きについて、「次第に反動減の影響が薄れ、緩やかな景気回復が進む」と述べ、強気の見通しを示した。

だが、7月以降も百貨店の売上高や新車販売の不振が続くなど消費回復が鈍いのは気がかりだ。

消費増税の影響だけでなく、円安や原油高による物価上昇もあって、消費者の財布のヒモが固くなっているのではないか。

設備投資も低調で、内需のけん引役が見当たらない。景気失速への警戒を強める必要がある。

安倍首相は年内にも、2015年10月に消費税率を予定通り8%から10%に引き上げるかどうか決断する。経済動向を注意深く見極めることになろう。

消費増税の影響緩和のため昨年12月に策定された経済対策は、建設現場の人手不足や資材高騰のあおりで公共工事が遅れ、まだ十分な効果が表れていない。事業の円滑な執行が求められる。

職業訓練の充実などで求職と求人のミスマッチ解消を促進し、人手不足の弊害拡大を防ぎたい。

法人税実効税率の引き下げや規制緩和など、成長戦略の着実な実行も大切だ。企業活動の活発化が賃金上昇につながり、消費を刺激する流れを強めたい。

電力料金の高騰も成長の重しとなる。原子力発電所の再稼働が遅れているため、北海道電力は約2割の再値上げを申請した。関西電力なども追随の構えを見せる。

原子力規制委員会の審査を効率的に進め、安全性を確認できた原発から着実に再稼働すべきだ。

円安が定着しているのに、輸出の不振が続いている。日本の「稼ぐ力」が低下していないか。

官民を挙げて産業競争力の強化に取り組むとともに、産業空洞化など構造的な要因の分析も急がなければならない。

産経新聞 2014年08月14日

GDP大幅減 消費につながる賃上げを

今年4~6月期の実質国内総生産(GDP)が年率換算で前期比6・8%減に落ち込んだ。

平成9年に消費税を増税したときよりマイナス幅は大きい。消費税率8%の実施がいかに重い国民負担だったかを示す厳しい数字だ。

安倍晋三首相は「成長軌道に戻れるよう万全を期す」と語った。政権が目指す経済再生と財政健全化の両立のためにも、景気を下支えする公共事業を着実に執行し、成長戦略の具体化を急がねばならない。

民間企業には、収益力を高めて雇用増や賃上げにつなげる従来の取り組みをさらに強めてほしい。落ち込んだ個人消費を再び喚起するには、民間の踏ん張りによる実質所得の増加が必要となる。

ただし、一時的なマイナス成長は、当初から想定されていたことだ。景気の先行きを慎重にみすぎて、消費マインドがさらに冷え込むような事態は避けたい。早急に内需の力強さを取り戻すことこそ肝要である。

4~6月期のGDPが増税当初の予想より悪化したのは、自動車などの耐久消費財や住宅で駆け込み需要の反動減が大きく、消費の回復が遅れたためだ。

反動減の影響は、和らぎつつあるようだ。注意したいのは、増税によって家計の実質所得が減ったことだ。4~6月期は増税だけでなく、ガソリンや食品価格の高騰も家計を直撃した。電気料金の負担も大きい。家計の収入が十分に増えなければ、消費の回復は期待できない。

政権が後押しした春闘の賃上げ効果もあり、基本給などの所定内給与は2年3カ月ぶりに増加した。人手不足が深刻化するなか、人材確保のために賃金を増やす動きもある。

それでも、4~6月期の実質雇用者報酬の伸びはマイナスとなった。物価の上昇に賃上げが追いついていないためだ。企業の4~6月期決算では、製造業を中心に業績を伸ばしたところも多かった。省力化投資などを通じて生産性を高め、非正規社員を含む賃上げにつなげてほしい。

7~9月期の景気は消費税率を10%に引き上げるかどうかの判断材料となる。安定した社会保障財源の確保と財政再建のために消費税アップは欠かせない。増税を乗り越えて経済の好循環を実現するには所得の改善が不可欠だ。

この記事へのコメントはありません。

この社説へのコメントをどうぞ。
お名前
URL
コメント

この記事へのトラックバックはありません。

トラックバックはこちら
http://shasetsu.ps.land.to/trackback.cgi/event/1915/