海江田代表 再建策ないまま続投とは

毎日新聞 2014年08月01日

民主党海江田代表 展望欠いた安易な続投

民主党の両院議員懇談会が開かれた。海江田万里代表は党内からの代表選前倒し要求に応じず、続投する意向を表明した。

相変わらずのゴタゴタにうんざりだが、野党第1党として安倍内閣への対立軸を打ち出せず結果的に「自民1強」に加担している現実をもっと真剣に総括すべきだ。展望を欠いたままの安易な続投は無責任だ。

「ピンチをチャンスに変えたい」。海江田代表はこう語り安倍内閣に立ち向かう意欲を強調、党規約に代表解任の規定はないため当面の続投が決まった。昨夏の参院選惨敗を受けて約束した1年以内の「目に見える成果」は見いだしがたい。来年秋の任期満了を待たず代表を交代すべきだとの意見はなお党内に根強く、結束にはほど遠い状況である。

海江田氏が指摘したように、安倍政権を取り巻くムードは変わりつつある。滋賀県知事選で与党推薦候補は敗れ、各種世論調査で内閣支持率は下落傾向だ。集団的自衛権の行使容認の憲法解釈変更を急いだことなどへの民意の反発の表れだろう。

だからこそ、野党が政権批判の受け皿となれない閉塞(へいそく)状況をより深刻に受け止めるべきだ。滋賀知事選にしても当選した前民主党議員は実際には「民主党隠し」で激戦を制した。とても執行部が戦果だと胸を張れるものではあるまい。

一番問題なのは海江田氏側から「来年の統一地方選を戦いたい」との意欲以外、安倍内閣にどんな対立軸で向かうのかという具体的なメッセージが伝わってこない点だ。さきの国会で集団的自衛権行使をめぐる見解集約を怠ったこと自体、野党第1党の責任放棄に等しい。次期衆院選で野党共闘を主導できるか、このままではとてもおぼつかない。

一方で岡田克也前副総理らの代表選前倒し論も広がりを欠いた。前倒し論の実態が「海江田降ろし」である以上、現体制に代わり、どう党を立て直すかのビジョンをはっきりと語るべきだった。同党のあしき内輪もめ体質がまたも露呈したという域を出なかったのが実情だろう。

野党の混迷は民主党だけではない。分裂した日本維新の会の橋下徹大阪市長らのグループと、結いの党の合流など再編の動きも起きている。集団的自衛権行使について両者が見解に違いを抱えているように、生き残り優先の印象はぬぐえない。

そんな離合集散に民主党があわてて参入する必要はない。だが、役員人事など小手先の策で体制温存に走っても、政策不在という意味では五十歩百歩だ。いま、党に求められるのは分裂も辞さずに安全保障、エネルギー問題などで軸足を定めていく覚悟である。

産経新聞 2014年07月28日

海江田代表 再建策ないまま続投とは

展望もなければ締まりもない話だ。民主党内で海江田万里代表の指導力に疑問を持つ勢力による代表選前倒し論が、再燃しているという。

とはいえ、党をどう立て直すかが具体的に語られているわけではない。「自分なら党をこう変える」と名乗りを上げる人物も現れない。

それを見越したように、海江田氏は前倒し論を拒否している。だが、民主党が野党第一党としての存在感を示せず、野党連携の核にもなれない点で、海江田氏の責任は重大である。

再建に向けて、いま何をすべきか。海江田氏は31日の両院議員懇談会で明確に語るべきだ。それもできずに、残り任期を務めたいというだけなら、リーダーにとどまる資格はあるまい。

海江田氏は昨年の参院選敗北後に、「目に見える成果」を1年で出せなければ辞任すると述べていた。これといった成果がここまでないのは明白だろう。

続投を支持する側は、先の滋賀県知事選で非自民候補が勝利したことを成果に数えているようだが、党が前面に立たない戦術を取らざるを得なかったこと自体、低迷ぶりを如実に示すものだ。真の「勝利」と胸を張れるのか。

任期は来年9月まである。来年の統一地方選や次の国政選挙をにらみ、現体制に不安を持つ議員が出るのも無理からぬことだ。

前倒し論は一時、沈静化していたが、岡田克也元代表が「党の一体感を出すため代表選を今夏にやるべきだ」と党会合で提起した。確かに、代表選は重要政策や党再建を議論する好機にもなる。

最大の問題は、党再建に向けたシナリオを描き切れない状況が今なお続いていることだ。

代表選があれば岡田氏を擁立する動きもあるようだが、岡田氏は出馬に言及しなかった。海江田氏に批判的な前原誠司元代表も手を挙げていない。両氏なら民主党をどう立て直すというのか。

鳩山由紀夫、菅直人両元首相らを含め、民主党のトップは代表経験者が持ち回りでつないできた印象が強い。代表選があっても、代わり映えしない顔ぶれと論戦では国民も関心の持ちようがない。

党内対立を嫌い、憲法や集団的自衛権など国の根幹の課題は結論を先送りする一点をとっても、政権の受け皿として疑わしい。それを改めるのも再建の第一歩だ。

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