持続的な安定成長の達成へ、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の真価が問われよう。
内閣府が発表した昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は、前期比0・3%増となった。4四半期連続でプラス成長を維持し、年率換算の成長率は1・0%だった。
個人消費は、消費増税をにらんだ自動車など耐久消費財の「駆け込み需要」で堅調に伸び、回復の鈍かった設備投資も、年率5・3%増と復調した。
甘利経済財政相は「民需を中心に景気が着実に上向いている」と、楽観的な見方を示した。
しかし、「1%成長」は2~3%が中心だった民間の事前予想を大きく下回った。
伸び悩みの主因は、成長を牽引していた公共投資に一服感が出たことだ。建設現場の人手不足や資材高騰による工事遅延が、一段と深刻化してきたのではないか。
円安が追い風になったはずの輸出も、新興国の景気減速などの影響で小幅な増加にとどまった。
超円高の時代に多くの日本メーカーが生産拠点を海外に移したため、円安でも輸出があまり伸びなくなった面も指摘できる。
確かに足元の内需は堅調だが、最大の課題は、4月の消費税率引き上げのショックを、どのように乗り切るかである。
政府は総額5・5兆円の経済対策や外需の回復で、消費増税後の「反動減」を補い、安定的な成長軌道につなげるシナリオを描く。だが、今回のGDPは、その目算が狂い始めた兆しも見える。
消費増税を克服する切り札として政府が重視する公共事業の執行が大幅に遅れれば、景気失速を防げないかもしれない。
麻生財務相は、公共事業の予算執行を急ぐよう各府省に促す考えを示したが、人手不足などを解消する有効策は不透明だ。
政府と地方自治体、建設業界の連携により、公共事業の円滑な執行に万全を期さねばならない。
原子力発電所が停止し、大量の火力発電燃料を輸入している悪影響も大きい。円安で輸入額が膨らみ、貿易赤字がGDPを押し下げている。安全性を確認できた原発を着実に再稼働すべきだ。
持続力のある成長を実現するには、政策対応はもとより、日本経済の主役である民間企業の努力が不可欠である。
業績の回復した企業が賃上げで利益を労働者に還元することで、購買力を底上げし、「経済の好循環」を後押ししてもらいたい。
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