国会の改革 与党の打算超え幅広く

朝日新聞 2013年08月29日

国会の改革 小手先で終わらせるな

国会審議のあり方を改めようという動きが出てきた。自民、公明、日本維新の会が協議を始め、自公両党は民主党にも呼びかける考えだ。

先の通常国会の会期末に、安倍首相の予算委出席などをめぐって参院で与野党が対立。首相問責決議が可決されたあおりで民主党も賛成していた重要法案が廃案になった。国民には全く理解しがたいことだった。

こんな茶番を繰り返さないためにも、各党が改革に乗り出すことには賛成だ。前に進めてほしい。

与党がまず手をつけようとしているのが、首相や閣僚の国会出席を減らすことだ。閣僚に代わって副大臣の答弁機会を増やし、委員会の審議時間に上限を設けることを検討している。

安倍首相は先の通常国会で、衆参両院の予算委員会に約180時間出席した。日本の首相の国会出席は、欧州諸国の首相に比べ格段に多いとされる。

これが首相から多くの時間を奪い、外交日程の組み立ても難しくするといった弊害をもたらしている。これは昨年まで政権を担った民主党を含め多くの党の共通認識だ。

審議時間に機械的に上限を設けることには疑問があるが、工夫する余地は十分にある。

要は、首相らをいたずらに国会に拘束するのではなく、メリハリをつけた質疑や議員同士の論戦の場にすることだ。

そのためには、党首討論の活性化が必要だ。週に1回開く原則をきちんと守る。45分しかない時間も延ばし、いまは参加できない中小野党の党首にも門戸を開くようにしてはどうか。

さらに踏み込んで、会期のあり方も見直したい。

いまは会期中に審議が終わらなかった法案は原則廃案になる。このため野党は抵抗の手段として審議引き延ばしに走り、国会が「政策論争」でなく「日程闘争」の舞台になっていると、野党の側からも指摘されてきた。通常国会を大幅延長して実質的に「通年国会」とする試みを、検討すべき時だ。

こうした改革を進めなければならないのは、社会保障の立て直しや震災・原発事故への対応など、国会が迅速な対応を求められる案件が山積しているからだ。議員が日程闘争で仕事をした気になっていられる時代はとっくに終わっている。

司法から抜本的な改革を求められている衆参両院の選挙制度改革を急がねばならないことは、いうまでもない。

のんびりと構えている余裕はないはずだ。

毎日新聞 2013年08月27日

国会の改革 与党の打算超え幅広く

秋の臨時国会の焦点のひとつとして国会改革が浮上している。首相、閣僚の委員会出席日数の削減などが検討の対象となる模様だ。

首相が国会に過剰に縛られ外交日程にも支障を来しかねない状況は問題であり、野党も長期的視点で柔軟に対応する必要がある。与党の打算ばかりが目立つような改革としないためにも、幅広い観点から機能充実に取り組んでほしい。

国会改革論議が現実味を帯びているのは衆参ねじれを解消した与党に加え、日本維新の会など野党側にも改革を提起する動きがあるためだ。首相演説の衆参両院での一本化などが俎上(そじょう)に載りそうだが、最も注目されるのは首相、閣僚の国会出席の軽減問題だ。

さきの通常国会で安倍晋三首相が衆参予算委員会に出席した日数はのべ32日に達した。経済界、労働界の代表などが参加する日本アカデメイアが昨年まとめた資料によると、日本の首相が1年間に国会に出席した日数が127日なのに対し、フランスは12日、英国は36日、ドイツは11日にとどまる。単純に日数だけで比較はできないが、国会の日程攻防中心の駆け引きが首相らの出席を必要以上に増やし、外交などにも影響しかねない現状は否定できまい。

自民、民主両党が与野党を経験したばかりの今こそ、冷静に議論する好機でもある。将来の政権担当を目指すのであれば負担軽減は野党にとってもマイナスにならないはずだ。とりわけ首相、外相の出席日程について柔軟に合意形成を求めたい。

他にも浮上している論点がある。国会同意人事の対象が36機関253人にのぼることが適切かどうかも、改めて精査すべきだ。野党で対立点が少ない法案はすみやかに実質審議に入るルール作りなどは、ただちに実行すべきだろう。

一方で、さきの通常国会では予算成立後は与党が国会への首相出席に応じない対応も目立った。改革が恣意(しい)的に与党に利用されないよう、注意する必要もある。

たとえば党首討論の見直しはそのひとつの手段となる。本来は国会開会中に原則週1回開催すべきはずなのだが、実際は非常に限定的に行われ、45分たらずの討論は消化不良だ。首相の外国訪問などの事情がある時以外は定期開催を厳守して時間も延長し、多くの人がテレビやネットでライブ中継をみられるよう夜間開催なども検討してはどうか。

今回は解消したとはいえ、衆参ねじれが混乱を招かないためのルール作りも依然として放置できない課題である。事実上の通年国会化などの議論も積み残されている。広範かつ建設的な議論を求めたい。

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