潘氏の日本批判 事務総長発言とは耳疑う

読売新聞 2013年08月28日

潘国連事務総長 資質問われる偏向「介入」発言

耳を疑うような国連事務総長の発言である。

潘基文事務総長が、韓国外交省で記者会見し、「歴史をどう認識すれば未来志向的に善隣友好関係を維持できるのか、日本の政府、政治指導者には、深い省察と国際的な未来を見通すビジョンが必要だ」と述べた。

韓国人記者から、歴史認識や領土問題を巡る日中韓の対立と日本の憲法改正の動きについて、国連および事務総長としての見解を質問されて、答えた内容だ。

潘氏は、韓国の盧武鉉政権時代に外相を務めたベテラン外交官だ。だが、今は国連事務総長として、特定の国にくみしない中立性、公平性が求められている。

潘氏は韓国や中国の政治家には触れなかった。日本の政治指導者だけへの言及は、あたかも北東アジア地域のあつれきの原因が日本にあるかのように、世界中で受け取られかねない。一方的で、問題ある発言と言わざるを得ない。

事務総長の会見は、国連公用語の英語かフランス語で行われるのが通例だが、今回は異例にも大半が韓国語で行われた。

潘氏は、「歴史に正しい認識を持ってこそ、他の国々から尊敬と信頼を受けるのではないか」と、暗に日本に注文も付けた。

「正しい歴史認識を持て」と、日本に戦前の歴史に向き合うよう執拗(しつよう)に求める韓国と同じ言い方である。韓国の肩を持つ発言だ。本来、様々な紛争や対立を調停する立場の事務総長が、対立をあからさまにあおってどうするのか。

歴史は、「正しい認識」でひとくくりにできないものだ。

菅官房長官は、「地域の平和と安定のためには首脳同士が意見交換することが必要だ」との安倍首相の発言を引いて、「こうした日本の立場を認識した上での発言なのか、非常に疑問を感じている」と述べた。当然の反発である。

政府は、潘氏に発言の真意をただし、日本の立場が世界で誤解されぬよう、国連などの場で、積極的な発信に努める必要がある。

戦後70年近く、日本は一貫して平和と繁栄のために努力してきた。これまでの日本の戦後の歴史を、潘氏はどう評価するのか。

1965年の日韓基本条約は、戦後の日本と韓国の関係を規定する国際協定として確立している。請求権問題は解決ずみなのに、韓国は、元徴用工への賠償や元慰安婦問題を蒸し返してやまない。

国際機関に籍を置くなら、潘氏は、韓国の常識は世界の非常識であると韓国に伝えるべきだ。

産経新聞 2013年08月28日

潘氏の日本批判 事務総長発言とは耳疑う

これが国連事務総長の発言かと耳を疑う。

韓国出身の潘基文事務総長がソウルでの記者会見で、安倍晋三政権の歴史認識を批判した。

事務総長は国家間で対立する問題では中立の立場でなければならない。菅義偉官房長官がその発言に「疑問を感じる」と不快感を示したのは当然だ。潘氏にその真意をただし、納得いく説明を求めてほしい。

潘氏は会見で、「北東アジアの国々が憂慮している日本政府の平和憲法改正の動きに対する国連の立場」を問われ、「日本の政治指導者は極めて深く自らを省みて、国際的な未来を見通すビジョンが必要だ」と注文を付けた。

歴史認識や領土問題に関した質問には、日本と中韓との緊張関係に「事務総長として遺憾」を表したうえで、「正しい歴史認識を持ってこそ他の国々から尊敬と信頼を受けられるのではないか」と事実上、安倍政権を批判した。

潘氏の発言は、歴史認識を絡めて対日批判を強める韓国や中国の肩を持つものであり、到底受け入れられない。特に、日本の憲法改正問題への批判的な言及は、内政干渉まがいともいえる。

国連憲章100条は、事務総長と職員に、いかなる政府、国連以外の当局の指示を仰ぐことも受けることもしてはならないとし、中立性、公平性を求めている。

事務総長は、平和と安全を脅かす問題について安保理に注意を喚起し、時に国際紛争の調停役をも担う。対立する問題などで一方に偏していると疑われることなどあってはならないのである。国連の「顔」として注目され、国際世論への影響も小さくない。

潘氏は、盧武鉉政権の外交通商相を経て、2007年1月に国連事務総長となり、現在は2期目に当たる。

事務総長として適切な発言かどうかは、当然わきまえているはずだし、またそうでなければならない。古巣の外務省での会見とあって、つい口が緩んで身びいきになった面があったとしても、それは許されるものではない。

菅氏は「事務総長の真意を確認して日本の立場を国連などで説明していきたい」と述べた。

日本政府に必要なのは、慰安婦問題で「日本が強制連行した」などといった誤解をただしていくことだ。まずは9月の国連総会をそうした場として活用したい。

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