東京都議選告示 参院選を占う先行指標となる

毎日新聞 2013年06月15日

東京都議選告示 首都で「経済」が問われる

東京都議選挙が14日告示された。参院選の先行指標と目されており、与野党は23日の投票に向けて国政選挙に準じる態勢で戦う。

過去の選挙結果の多くがその後の国政選挙の傾向と連動しているだけに、安倍内閣の一連の経済政策などへの評価が大都市圏で最初に試される。人口1300万人を擁し、予算規模で韓国に匹敵する首都、東京が抱えている課題は少なくない。議会活動についても厳しく点検する場としたい。

都議の定数は127で前回選挙で躍進した民主党が改選前の第1党だった。自民党は安倍晋三首相が都議選を「準国政選挙」と位置づけ、「経済政策の是非を問う」姿勢を明確にしている。安倍内閣の高支持率の一方で、自民党は最近の各種地方選挙で必ずしも波に乗り切れていない。第1党の奪還と、公明党と合わせての過半数獲得が事実上、最低限の目標となる。

衆院選惨敗から立ち直りの足がかりが得られていない民主党も「円安・株高」基調に変化がみられる中、海江田万里代表がいわゆる「アベノミクス」路線への批判を強めている。経済政策への評価が政党への審判に影響することは確実である。

日本維新の会、みんなの党は初の都議選への挑戦だ。維新の会の橋下徹共同代表の従軍慰安婦をめぐる一連の言動や両党の選挙協力関係の解消などが、どう受け止められるか。共産党など候補を擁立する他党とともに政党の勢いと地力が試される。

都政の課題も問われる。前任の石原慎太郎氏に代表されるように知事の言動が注目される一方で、都議会は存在感を発揮していない。1990年度以降、政策に関する議員提案条例の制定が2件のみで都道府県議会で最低レベルというのは問題だ。「首都の議会」の名が泣こう。

横浜市に後れを取った形の待機児童対策、急激に進む高齢者人口増加への対応、東日本大震災の教訓を踏まえた防災対策など住民生活に密着する課題は多い。大都市圏行政に先進的に取り組む担い手という自覚がこれまで都議会には足りなかったのではないか。各党が都議選向けに掲げる政策の多くも具体的で責任ある目標を示したとは言い難い。

今回の都議選はインターネットを使った選挙運動の解禁の適用外であり、告示後のネットの活用は自粛せざるを得ない。だが、ネット選挙を意識した政党や候補はすでに多くの情報を発信している。有権者の参考になるだろう。

参院選の前哨戦としての政党対決。同時に年間議員報酬約1700万円にふさわしい住民の代表たり得るかどうかの吟味も重要である。

読売新聞 2013年06月14日

東京都議選告示 参院選を占う先行指標となる

有権者約1000万人の首都決戦は来月の参院選の先行指標となる。

安倍政権の経済政策である「アベノミクス」をどう評価するかが大きな争点となろう。

東京都議選が、きょう告示される。各党の党首、幹部クラスがすでに都内を走り回るなど、事実上の選挙戦が過熱している。

都議選が注目されるのは、直後の国政選と連動することが多いからだ。前回2009年は、自民党が大敗し、民主党が躍進を遂げて都議会最大会派となった。翌月の衆院選での政権交代を告げるような結果だった。

今回、自民党は都議会第1党の座を奪還し、公明党とともに、安定した与党勢力の確保を目指している。参院選で過半数の議席を自公で獲得し、衆参「ねじれ国会」を解消できるかどうかを占うことにつながろう。

安倍首相は都内の遊説で、アベノミクスについて、「日本を覆っていた暗く厚い雲、空気が大きく変わった。この道を進めば、間違いなく経済成長させていくことができる」と訴えた。

ただ、大胆な金融緩和、機動的な財政政策に続く「第3の矢」の成長戦略は発表した直後で、成果が出るのはこれからだ。自民党は、経済再生への道筋をどう描くのか、丁寧な説明が必要だ。

民主党の海江田代表は街頭演説で、アベノミクスについて、「物価が上昇し、国民の負担が増え、生活を破壊する」と、そのリスクを強調した。

だが、マイナス面を強調するだけでは説得力のある批判とはいえまい。具体的な対案を示して深みのある論戦を展開してほしい。

日本維新の会は、橋下共同代表によるいわゆる従軍慰安婦問題の発言を巡り、失速気味だ。共闘体制を構築してきたみんなの党は、選挙協力を解消した。参院選も同じ構図だ。「第3極」に対する有権者の判断が注目される。

都議会で、自公両党は猪瀬直樹知事の都政を支える与党だ。最大会派の民主党も与党的な立場を強めている。それだけに、都政に関しては大きな争点がない。都市部に多い無党派層がどう動くか。投票率の低下も懸念される。

しかし、都の抱える課題は少なくない。帰宅困難者対策や木造住宅密集地の解消などの防災面をはじめ、待機児童対策、高齢者施設の整備などは急務だ。

都議選を、国政の関連だけではなく、そうした首都の現状を考える機会ともすべきである。

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