やはり日本経済は、物価が下がり続けるデフレに陥っていた。
政府は月例経済報告で「緩やかなデフレ状況にある」と認定し、デフレが景気を腰折れさせる恐れがあるとの見方を示した。
政府は2001年3月、物価下落が長期化したため、戦後初めてデフレを認定したが、今も脱却宣言はない。全快を確認できないまま、デフレがぶり返した。
政府と日銀は、連携を密に政策を総動員し、今度こそ完治を図らねばならない。
物価が下がれば消費者にとってはうれしいが、企業の利益は減少し、給料カットや失業として跳ね返る。その影響による消費の減少で物価がさらに下がれば、デフレと不況が連鎖するデフレスパイラルにつながる。
デフレからの脱却には、最大の原因である需要不足の解消が欠かせないが、先行きは不透明だ。
家電のエコポイントやエコカー補助などが奏功し、実質国内総生産(GDP)は、この2四半期連続でプラス成長となった。
だが、失業率は高く、冬のボーナスも大幅減が確実だ。年末商戦の見通しは暗い。鳩山内閣が公共事業の一部を凍結した影響も心配だ。円高で輸入品が安くなるもうひとつのデフレも懸念される。
政府は、今年度2次補正予算と来年度当初予算を、雇用、環境、子どもへの対策を重点に編成するという。
ただ、財政は厳しい。国債を大増発すれば金利が急上昇しかねない。大盤振る舞いを避け、需要拡大に即効性のある事業に絞った予算配分が必要となろう。
政府内には「住宅版エコポイント」などの新たなアイデアもあるという。子ども手当などの政権公約にとらわれず、効果的な対策に知恵を絞ってもらいたい。
需要の穴埋めを財政だけに頼らず、民間主導の成長実現に向けた中長期的な戦略も、策定を急がねばならない。
一方、デフレ退治の主役であるべき日銀が、デフレへの危機感を、政府としっかり共有しているのか疑問がある。
経済協力開発機構(OECD)は19日、日本のデフレが2011年まで続くとし、日銀に量的金融緩和で戦うべきだと提言した。
だが、日銀は20日の金融政策決定会合で政策を現状維持し、白川方明総裁は量的緩和の拡大など追加策は不要との考えを示した。
政府より、デフレに対する認識が甘いのではないか。
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