世界一をかけた舞台で戦う「侍ジャパン」を三たび応援できる。
日本プロ野球選手会が来年3月の「第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」への不参加決議を撤回し、大会に出場することを表明した。
選手会の決定を歓迎したい。
2006年、09年のWBCで、日本が連覇した際、国中がわき返った。あの白熱した戦いを楽しめないとなれば、大勢の野球ファンが落胆しただろう。
選手会の新井貴浩会長(阪神)は「ファンも日本代表の試合を見たいと思うし、選手も代表のユニホームを着て試合をしたいという思いがあった」と語った。
野球が五輪の競技から除外されている現在、日の丸を背負って戦える貴重な世界大会である。
ファンも選手も喜ぶ結果となったのは、朗報と言える。
WBCは、米国の大リーグ機構と大リーグ選手会の共同出資会社が主催する。今回は、日本を含め、28の国・地域から代表チームが出場する。
日本の選手会は、代表チームのユニホームやヘルメットに企業名を掲示するスポンサー権について、日本側に認められていないのは問題だと主張してきた。
日本野球機構(NPB)は、主催者側と交渉を重ね、大会のロゴを使用しなければ、WBC期間中でもスポンサー権が日本側にあることを確認した。これが、選手会に方針転換を促した。
WBCの主催者側にとって、連覇を成し遂げている日本チームは、大会を盛り上げる上で、欠かせない存在と言えよう。
日本チームが不参加となっていたら、日米の野球界に亀裂を残したに違いない。
日本側から見て、運営方法に問題があるとしても、大会に参加する中で発言力を強め、改善を求めていくのが賢明だろう。
参加国が協力して、大会を成長させ、野球の国際化を一層、進めていく必要がある。五輪競技に復帰する上でも、野球のすそ野を広げ、各国のプレーのレベルを底上げしていくことが大切だ。
今後、日本代表のチーム編成が本格化する。どのような顔ぶれになるのか、楽しみだ。
シーズン終盤に向け、選手にとっては、代表入りという新たな目標ができた。国内でプレーする選手はもちろん、大リーグ球団に所属する日本人選手も、ファンを魅了するプレーで、存在感を大いにアピールしてもらいたい。
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